コンビニ大手のファミリーマートが2019年7月1日に開始したスマートフォン決済サービスの「ファミペイ」に、早くもツイッター上で「ファミペイで固定資産税払えたよ! 税金が2000円も安くなるってすごくない?」という投稿が現れた。
情報が拡散し、
「これは大きい!」
「還元受け取れるだけで最高です」
などと話題になっている。
「税金が安くなることはない」と総務省
固定資産税は、土地や建物などにかかる税金のこと。マイホーム、それも地価の高い都心の一等地に家を持っている人ほど高い税金を払うことになる。その固定資産税が安くなり、おトクということであれば、家持ちのお金持ちはみんなファミペイを利用したいと思うだろう。
ところが、市町村税の固定資産税を管轄する総務省では「税金が安くなることはない」と断言する。
たしかに税金の払い方によって金額が変わるのなら、トクする払い方に利用が集中していく。それは昨今のふるさと納税の騒動でも証明されているし、もしそうであれば他のコンビニ大手も、電子マネーやスマホ決済の利用増や集客力アップのために、とっくに実施しているはずだ。
税金が安くならないことは、同じコンビニの収納(支払い)サービスでも証明されている。レジで収納用紙のバーコードを読み取って支払う場合に、電子マネーやポイントカードを使ってもポイントは付与されないし、タバコを買っても、タバコ事業法の規制があってポイントは付かない。
国は税を公平に収集するため、支払いの仕方によって税金を値引きするようなことはしないわけだ。
投稿はフェイクニュースなのか?
そうなると、ツイッターの投稿はフェイクニュースなのか、ファミペイのシステムの誤作動か、なにかトラブルがあったのか――。折しも、スマホ決済をめぐってはセブン-イレブンの「7Pay」(セブンペイ)が不正アクセスにより、「900人に5500万円の被害があった」と発表されたばかり。ファミリーマートにも、問い合わせなどが寄せられたようだ。
じつは、「2000円」という数字には根拠がある。ファミペイについてよく知っていないと、この金額は出てこないのだ。
「ファミマTカードに現金で上限の2万円までチャージすると10%の2000円分ボーナスを還元するキャンペーンを7月中に実施しています。ツイッターの投稿者もキャンペーンで2万円をチャージ。そのキックバックとして2000円が還元されたのだと思います」と、ファミリーマートに近い関係者は説明する。
なるほど、たまたま固定資産税の支払い時に、キャンペーンがハマったということらしい。
ファミペイで税金を支払ったからといって、その税金が安くなるわけではないようだ。