東京外国為替市場 リスク回避のドル売りは沈静化
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~109円00銭
2019年6月28日(金)終値 1ドル=107円88銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが底堅い動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の「短期的に過剰に行動しないことが重要」との発言で利下げ観測が後退したことや、米中貿易協議の合意への期待が高まったことで、一時1ドル=108円台にドルが上昇する場面もあったが、トランプ米大統領の「追加関税を発動しないとの約束はしない」との発言を受け、再び1ドル=107円台へ下落した。
今週のドル円相場は、米中首脳会談で貿易協議の再開に合意したことで、リスク回避のドル売りは沈静化するとみられるが、FRBの利下げ観測が根底にあり、上値は重い展開となりそうだ。
今週発表される米国の主要経済指標が市場予想を下回ると、米国の利下げ観測が強まり、リスク回避のドル売りが再燃する可能性がある。半面、米中貿易協議の進展が確認されるようであれば、ドルは1ドル=109円近くまで上昇する可能性を秘めている。
7月1日発表の米国の6月ISM製造業景況指数は51.2と、5月の52.1を下回る公算。先行指標とされるニューヨーク連銀の製造業景気指数やフィラデルフィア連銀の製造業景気指数は低調な内容となり、製造業の景況感の悪化が示された場合はドル売り材料になりやすい。
経済指標は、国内では1日に6月の日銀短観(全国企業短期経済観測調査)、6月の消費者態度指数、国税庁の路線価、2日に6月のマネタリーベース、5日には5月の家計調査、5月の景気動向指数などが予定。海外では、3日に米国で6月のADP雇用統計、6月のISM非製造業景況指数、5月の貿易収支、5日には6月の雇用統計などの発表が予定されている。
なお、4日は参議院選挙(21日投開票)の公示。また同日は、独立記念日で米国市場は休場となる。
(鷲尾香一)