取引先には偉い人は行かない、オンラインだけが同行
ふと見ると、同僚女性のバックにあるホワイトボードに何やら数字が書き込まれていた。
西脇氏「おっと、○○さん、後ろに企業秘密の数字が映っていますよ」
女性「まずいですね。消します」
女性がパソコンを操作すると、すぐに背景がぼやけた。パソコンカメラが女性だけに焦点を合わせたのだ。この装置を使うと、自宅で仕事をするテレワークでも気兼ねなくテレビ会議ができる。
「わが社では、会議室を使った会議はほとんどなくなりました。必要な人同士でウェブ会議をすればすむからです。また、どんなに大事な取引先を訪問する際も、部長など偉い人がぞろぞろと出向くこともありません。お互いに時間の無駄ですから。担当者にオンラインが同行するのです。会議で大切なことは、偉い人同士が会うことより、専門家同士が話すこと。担当者が持参した端末を通じて、お客様に、たとえば米国に出張中のわが社の専門家とテレビ会議をしてもらうのです」
また、AIを活用して一人ひとりの残業時間、メール・チャットの件数、発信時間・受け手が見た時間・件数などを把握、仕事の成果と合わせて生産性を測るシステムを導入した。このシステムでは、いつ、どの場所で、どの相手とコミュニケーションをして仕事をすると高い成果が出るか、勤務時間・場所・同僚の好き・嫌いまでわかるのだ。