女性社長、活躍するのはこんな会社 割合は過去最高でも1割に満たず

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   日本の企業における女性社長の割合は2019年4月末時点で7.9%となり、過去最高となった。

   1989(平成元)年の4.3%から比べると、3.6ポイントの上昇。2015年に施行された「女性活躍推進法」などにより、女性の社会進出は徐々に進んでいるようにみえる。しかし、「社長」ともなると依然として1割を下回る低水準であることが、帝国データバンクの調べでわかった。2019年6月24日に発表した。

  • 女性社長、まだ1割満たず……
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「日常生活に密着」したサービスで女性社長が活躍

   調査によると、女性社長の割合は全国で7.9%。前年の2018年から、0.1ポイント増えた。30年前の1989年は4.3%で、20年前は5.5%、10年前は6.4%と、ゆるやかに上昇している。

   2018年~19年5月までに就任した主な女性社長には、CAE(コンピューターを使って設計や開発段階の製品性能を解析、シミュレーションする)ビジネスを手がけるサイバネットシステム(東京都千代田区)のほか、業務用美容用品の流通大手であるガモウ(東京都港区)や、イタリア高級ブランドの日本法人フェラガモ・ジャパン(東京都中央区)、「あずきバー」の井村屋の持ち株会社でグループ初の女性社長が就いた井村屋グループ(三重県津市)などがある。

   女性社長を年代別でみると、最も高かったのが「60代」の27.6%。「70代」の24.4%、「50代」の22.9%と続いた。2019年の女性社長の平均年齢は62.9歳(男性社長は60.3歳)。男性と比べると、女性は40代~60代の割合が低く、70代以上が高いのが特徴。特に「80代以上」(8.8%)は、男性社長(4.3%)の2倍を超える差があった。

   女性社長の就任経緯では、「同族継承」が50.8%と最も多く、次いで「創業者」が35.3%、「内部昇格」の8.3%、「出向、分社化」の2.6%と続いた。

   これを新任社長でみると、トップは同じ「同族継承」の41.8%だが、次いで「創業者」の40.5%、「内部昇格」が9.8%となった。「創業者」の割合が高いのが特徴だが、男性社長に比べて「内部昇格」は約半分、「出向・分社化」は4分の1程度にとどまっている。

   2019年の新任女性社長の平均年齢は54.5歳(男性社長52.4歳)だった。

   さらに年商規模別では、年間「5000万円未満」が11.0%で最も高い。ただ、規模が大きくなるにつれて割合は低下。「100億円以上」では、前年比で0.1ポイント増えたものの、1.4%にとどまっている。

   業種別でみると、最も高い業種は「不動産業」の16.7%。30年前の1989年から7.5ポイントも上昇した。次いで「小売業」の10.5%、「サービス業」の10.4%と、日常生活に密着しやすいBtoC業種で高い結果となった。

   その一方で、「建設業」は4.7%と最も低く、他業種が上昇するなか、2018年から唯一、横バイで推移した。さらに、「保育所」が42.3%で4割越えとなったほか、「化粧品小売業」の35.9%、「美容業」の33.3%、「各種学校」の30.9%、「老人福祉事業」29.9%などが続く。育児や介護、美容といった家庭生活に密着したサービスなど、女性のニーズが多いところで、多くの女性社長が活躍していることがわかった。

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