41歳の若さで、インターネット専業証券で初の女性社長に就いた、マネックス証券の清明祐子さん。「昔から本を読むよりも人の話を聞くほうが好きで、読書の機会はあまり多くないんです。でも、人に薦められた本は読むようにしています」と、慎ましやかに話す。
そんな清明社長のオススメの一冊を聞いた。
ビジネスに熱い「感動経営」に共感
「まず、ひとつ宣伝をさせてください」(笑)――。そう言って切り出したのが、マネックス証券の創業者でもある松本大会長が出版した「お金の正体」(宝島社)。
「もちろん、読みました。これは正直、手前みそながら、おもしろいなと思っていまして、詳細は控えますが、お金というものがどういうものなのか。単純に、お金の交換価値とか、信頼とか、よく言われますけれども、松本はもう一つ違う視点でお金を見ていて、本当にそのとおりで、おもしろいなと思います」
と推す。
「共感できた」のが、JR九州の現会長、唐池恒二さんの「感動経営――世界一の豪華列車『ななつ星』トップが明かす49の心得」(ダイヤモンド社)という。
「唐池さんは、ビジネスにも人にも熱くて、とにかく熱くて、JR九州が業績不振だったところから、唐池さんのリーダーシップで業績も急拡大して、赤字から黒字にもっていかれているんですが、その背景にあるのが、やっぱり社員の熱さ。お客様にどう感動してもらうかを考えて、それには社員が感動しないといけないという、BtoCの会社であれば本来そうあるべきだよねというところが明確です」と、共感したポイントを語る。
「私も今、松本のイメージが強いマネックスから、『わたしたちみんなのマネックス』へというステージに向かっていますが、やはりそこにはお客様の想いと社員の想いを乗せていかないといけないと感じています。『感動経営』を読んでいると、まさにそれは『あ~、そうそうそう。そうなんだよね』と、うなずきたくなることばかりでした」