大阪サミットでGDPRの標準化が加速する
GDPRの日本への影響が次第に強まることを見越して、牧野二郎弁護士は、「図解入門ビジネス 最新GDPRの仕組みと対策がよ~くわかる本」を刊行した。
牧野弁護士は、GDPRの世界標準化の進展で、日本でも少なくともその一部が採り入れられることが見込まれると指摘する。
日本の個人情報保護法は3年ごとに見直しされることになっており、2020年がその時期にあたる。「20年でGDPR水準にまでなるのは難しい。さまざまな権利問題、根強い反対、中小企業がついて来られないなどの問題がある。ただ、次の3年後には、GDPRに従っていくのではないか」と牧野弁護士はみる。
6月28、29日に大阪で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議では、安倍晋三首相が1月の世界経済フォーラムでこのG20について「世界的なデータ・ガバナンスが始まった機会として、長く記憶される場としたい」と宣言。このため、G20大阪サミットで、GDPRの標準化が加速する可能性もありそうなのだ。
G20のサイドイベントとして6月3日、個人情報保護委員会による「個人データ国際セミナー」が東京で開催され、牧野弁護士はこの場でGDPRへの認知や評価が高まっていることを感じたという。
このセミナーのパネルディスカッションで、英国の政治コンサルティング会社に大規模なデータ漏えいを引き起こしたフェイスブックの担当者がGDPRに即して改善に取り組んでいることなどを説明した。
牧野弁護士は、
「日本ではあまり強い規制は成長阻害になると考える人が少なくない。そのことが、まずは、2020年の個人情報保護法の改正に悪影響を及ぼさなければいいが」
と、考えている。
欧州をはじめ世界各国ではGDPR水準のデータ保護規制を、どんどん進めている。日本は今後、どうなるのか。厳しくなるのか、逆に緩やかになるのか―-。「どちらに向くのかを見るには、いまが重要な時期」という。
「図解入門ビジネス 最新GDPRの仕組みと対策がよ~くわかる本」
牧野総合法律事務所弁護士法人、合同会社 LEGAL EDGE共著
秀和システム
税別1800円