「リカレント教育(学び直し)」の取り組みについて、人材サービス大手のエン・ジャパン(東京都新宿区)が転職サイトの利用者を対象に調査したところ、年収が高い層のほうがより積極的だったことがわかった。
その内容や目的は、「専門的な資格取得」を半数近くがあげ、手段としては「民間サービス」の利用が圧倒的に多かった。
リカレント教育の取り組み「1000万円以上」の56%が「ある」
調査によると、「これまでリカレント教育を行ったことがありますか?」の問いに、47%が「ある」と回答。年収別にみると、「1000万円以上」の56%が「ある」と答え、「1000万円未満」では45%だった。
「ある」と答えた人たちの具体的な学習の内容で最も多かったのは、「専門的な資格の取得」の47%。次いで「経営・ビジネスに必要な知識や能力」の44%、「英語などの語学力」が42%だったで、これらがトップ3。しかし、1000万円をボーダーにした年収別の回答をみると、「専門的な資格の取得」は「1000万円未満」の人たちで割合が高く49%、「1000万円以上」では35%と対照的。「経営・ビジネスに必要な知識や能力」と「英語などの語学力」では、それぞれ「1000万円未満」が40%と38%、「1000万円以上」が60%と57%だった。
リカレント教育のために利用した施設・機関では「民間サービス」が65%で最多。大学院、大学、専門学校は、期間の融通などが利かないためか利用の割合は低め。「大学院」を挙げた人が「年収1000万円以上」で21%いたことが目立った。費用(月間)は「1~5万円未満」が34%で最多。そして、2番目に高い割合を占めたのは「20万円以上」の23%。「20万円以上」は「年収1000万円」以上では「1~5万円未満」と拮抗しており、30%と32%だった。
今回のエン・ジャパンの調査では、回答者にアンケートに加えて「リカレント教育で実現したいこと」について書き込みを依頼。
「将来的に起業したい」(39歳男性)
「定年退職後の収入に不安があるため、資格や経験をもとに年金以外の収入を得たい」(42歳男性)
「退職後も社会との接点を持ち、収入を得ていくための力を身につけたい」(52歳女性)
などの声が寄せられた。
アンケートの「今後、リカレント教育をしたい(続けたい)か」の問いには、全体で90%が「したい」と答えている。
なお、調査の対象は30~50代のミドル世代のための転職サイト「ミドルの転職」の35歳以上のユーザー。2019年4月26日~5月30日に、アンケートを行い1341人から回答を得た。