タートル・システムは株式市場でも有効か?
今回は、トヨタ自動車(7203)とソフトバンクグループ(9984)、日本電信電話(9432)、NTTドコモ(9437)、キーエンス(6861)の日本を代表する5つの会社の株式で、過去にタートル・システムにしたがって取引していれば、どの程度の利益を上げることができたか、検証した。
すると、タートル・システムを使った過去のトレード結果は、驚くべきものだった。
上記の5社について、NTTドコモを除く4社で利益を上げていた。初期資金を1000万円とした場合、トヨタは716万円、ソフトバンクグループは2626万円、日本電信電話は28万円、キーエンスは464万円の儲けだった。
さらに、ソフトバンクグループに至っては、総利益額を総損失額で割ったプロフィット・ファクターと呼ばれる指標がなんと、8.34倍もあった。一般に、プロフィット・ファクターが2倍を超えている場合、手法に顕著な優位性(エッジ)があるとされる。
ちなみにNTTドコモの結果は、285万円の損失だった。
詳しく知りたい人は、「伝説のトレーダー集団 タートルズの全貌」(FPO刊)を読んでほしい。(ブラックスワン)
なお検証は、マネックス証券のトレードステーション口座のプログラミング言語(EasyLanguage)で行った。
【詳細条件】
※オリジナルの取引ルールでは55日高値更新と20日安値更新を新規エントリーと決済のシグナルとしていたが、今回は11週高値更新と4週安値更新で代用。
※オリジナルの取引ルールはATR(20日)の2倍をストップ幅に設定していたが、今回は週足で取引するためATR(4週)で代用。
※簡略化のため、増し玉(ピラミッディング)の設定は行わなかった。
※インサイドバー・テストは日足単位で実行した。
※テスト期間は1991年1月4日(上場が1991年以降の銘柄は上場日)から2019年5月24日まで。
使用したEasyLanguageのコードを紹介する。
//#LE Turtle Trading System
variables : ATR(0) ;
ATR = AvgTrueRange(4) ;
Inputs : risk(0.02), deposit(100000000) ;
value1 = Highest(High, 11)[0] ;
value2 = Lowest(Low, 4)[0] ;
value3 = deposit * risk / ATR ;
Buy value3 shares next bar value1 stop ;
SetStopLoss(risk * deposit) ;
Sell next bar value2 stop ;