1980年代の米国で、二人の大物投資家がある賭けをした。
一人は「投資は天性の才能が必要で、誰かに教えることはできない」と主張した。
もう一人は「投資家になりたいと思う誰かに投資を教えて、投資家を育てることは可能だ」と信じていた。
どちらが正しいか実証するため、全米から総勢20人の投資家の卵を集め、実際に二人が投資教育を授けた。これが「タートルズ」と呼ばれる計画だ。
タートル・システムはさまざまな市場で利益を上げている
タートルズの戦略は「システム化された投資手法」である。取引のルールが明確で、勘に頼る必要がなく、誰が見ても同じタイミングでエントリーして、決済する。
「タートル流投資」は過去のチャートを用いた検証が容易であるため、取引しようと思う金融商品の過去の運用成績を手軽に確認することができるのも特徴だ。
1983年当時、タートルズと呼ばれていた訓練生は、手計算でエントリー価格や損切り価格、注文数量を算出し、注文は電話で行っていた。
しかし、パソコン(PC)やインターネット環境が発達した現代では、個人でも数量計算をすべてPCで行い、注文はオンラインで済ませることができる。プログラミングの知識がある人であれば、自動売買システムを構築することができるかもしれない。
1980年代に開発されたタートルズの戦略は現代においても、トレンドフォローの有効性が顕著な外国為替証拠金取引(FX)や商品先物市場、国債市場などの市場で利益を上げている、とされる。
では、「タートル流投資」は、株式の買いでも利益を上げることはできるのだろうか?