G20大阪サミットの開催が迫ってきたなか、今週の注目は2019年6月18~19日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)。現状では、6月の米国の政策金利は据え置かれることが予想されているが、7月の利下げが示唆されるかどうか、気になるところ。
株式市場は、6月28、29日に開かれるG20大阪サミットとともに、3月期決算企業の株主総会が集中することにも注目。例年であれば、6月最終週を意識して日経平均株価は上向き傾向なのだが......。米中貿易摩擦や、新たに中東での地政学リスクのゆくえに注意する必要がある。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 日経平均株価の上値は重そう
日経平均株価予想レンジ:2万1000万円~2万1500円
2019年6月14日(金)終値 2万1116円89銭
今週の日経平均株価は、2万1000円台を固め、上値をうかがう動きか。
前週の日経平均株価は、小幅上昇して2万1000円台を固める動きとなった。米国の5月の雇用統計が市場予想を大きく下回ったことで、利下げ期待が強まったことや、米国がメキシコに対する関税引き上げを見送ったことが材料となり、ニューヨーク株式市場が上昇した流れを引き継いだ。
中国がインフラ投資の活発化のため、地方政府の債券発行を促す投資奨励策を発表したことで、アジア株高となったことも日経平均株価の支援材料となった。
今週の日経平均株価は、テクニカル的にも前週に5日移動平均線が25日移動平均線を上回り、上昇トレンドを示しており、2万1000円台を固め、上値をうかがう動きが期待できそうだ。
その半面、中東のホルムズ海峡近くで石油タンカー2隻が攻撃された事態を米トランプ政権がイランによるものと断定したことで、中東の地政学リスクが高まっていることや、6月28日からのG20(主要20か国・地域)首脳会議に合わせて開催を予定していた米中首脳会談の開催が不透明になっていること、18日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)での金融政策の行方など不透明要因も多く、日経平均株価の上値は重そうだ。
東京外国為替市場 焦点は米国の金融政策のゆくえ
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~110円00銭
2019年6月14日(金)終値 1ドル=108円55銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。
前週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが強含みで推移した。米国によるメキシコへの関税引き上げが見送られたことなどがドル買い材料となった。半面、中東のホルムズ海峡近くで石油タンカー2隻が攻撃される事態が発生し、中東の地政学リスクが高まったことで、ドルの上値を抑えた。
今週の外国為替市場でドル円相場は、18、19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での金融政策のゆくえが焦点となりそうだ。
市場では、政策金利は据え置かれるとの予想が多い。米国の景気減速懸念が高まっていることで、利下げを示唆する可能性が高まっており、そうなればドル売り圧力が強まりそう。また、米中首脳会談の開催のゆくえ、中東の地政学リスクの高まりなどの不透明要因もある。
経済指標は、国内では19日に5月の貿易統計、日銀金融政策決定会合(20日まで)、20日に日本銀行の黒田東彦総裁会見、5月の工作機械受注などが予定されている。
米国では、17日に6月のニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に5月の住宅着工件数、FOMC(19日まで)、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、20日に新規失業保険申請件数、1~3月期の経常収支などが予定されている。
(鷲尾香一)