懐かしの携帯型ゲーム「たまごっち」の最新版が、米国で発売されます。「平成」初めの、1990年代に一世を風靡した育成ゲームが、21世紀の最新テクノロジーを搭載しての復活です!
スマートフォンや最新のゲーム機に慣れ親しんだ米国の子どもたちのハートをつかむことができるのでしょうか。いやいや、それよりもどうして今、米国で「たまごっち」なのでしょうか......。
最新版「たまごっち」は家族が増やせる!
初代の「たまごっち」が米国で発売されたのは1997年。当時はバーチャルペットを育てるゲームという発想が新鮮で、瞬く間に大ブームになりました。
Tamagotchi, the original cyberpet, was all the rage in 1997
(最初のサイバーペットゲーム「たまごっち」は、1997年に大ブームを引き起こした)
all the rate:とてつもなく人気の、ブレイクしている、一番アツイ
そして、このたびバンダイが最新版の「Tamagotchi On」を2019年夏に米国で発売すると発表しました。
Tamagotchi returns
(「たまごっち」が戻ってくる)
Tamagotchis are coming back
(「たまごっち」がカムバックする)
Tamagotchis make a comeback with larger, full-color version
(「たまごっち」が、さらに大きくなって、フルカラーになって戻ってくる)
「たまごっち」の「復活」は、「return」「come back」「make a come back」と表現します。ゴルフのタイガー・ウッズ選手が「復活」した時も使われていた表現です。こういった簡単な英語ほど応用範囲が広い、という見本のような表現です。
みなさんもぜひ、いろんな場面で使って下さい。
さて、最新版の「たまごっち」はどう進化したのでしょうか――。まず、白黒のドット絵だったたまごっちたちはカラーに進化。さらに、赤外線通信で友達のたまごっちのところに遊びに行ったりする機能や、たまごっち同士を結婚させて家族を増やす機能もあるそうです。
ちなみに、米国で発売される最新版「たまごっち」の価格は、初代の17.99ドル(約2000円)から大幅アップの59.99ドル(約6600円)。果たして、スマートフォンや最新のゲーム機に慣れ親しんだ、IT時代の子どもたちの反応はどうでしょうか?
発売後の動きが気になるところです。
会議中は放ったらかしでOK
それにしても、なぜ今、このタイミングで「たまごっち」なのでしょうか。
じつは米国や英国では今、じわじわと「レトロ」ブームが広がっています。「レトロ」といっても大昔ではなくて「90年代」のこと。90年代に子どもだった世代が大人になって家庭を持つ年代になり、自分の子どもたちに「懐かしのグッズ」を買い与えているそうです。
もちろん、自分のために購入する人も多いことから、「90年代のキッズ」をターゲットにした「懐かしい商品」が次々と発売されています。最新版「たまごっち」も、まさに「90年代のキッズ」がターゲットらしく、発売前から「懐かしい!」「ぜったい買うぞ」といった「元キッズ」たちの声がSNSで拡散されています。
さて、「今週のニュースな英語」は、90年代にブームを巻き起こした「元祖たまごっち」の話題から「all the rate」(とてつもなく人気の)(一番アツイ)を取り上げます。「rage」は「激しい怒り」「熱狂」という意味の英語です。「チョ~人気がある!」といったニュアンスが近いかもしれません。
This game is all the rage
(このゲームはすごく人気がある)
後ろに「among~」を加えると「~の間で人気」という表現になります。
This game is all the rage among young people
(このゲームは、若い人たちにすごく人気がある)
流行になっている、という意味でも使います。
Dress is all the rage this sommer
(ワンピースはこの夏の流行だ)
ちなみに、放ったらかしにすると死にそうになっていた「元祖たまごっち」。最新の「たまごっち」には「ホテル機能」があって、「会議中に『たまごっち』を預けられる」(開発者)とか。う~ん、やはり「21世紀のたまごっち」は「90年代のキッズ」がターゲットのようです。(井津川倫子)