「パンツはいてません」と正直にいい過ぎた金融庁
しかし、「金融庁は悪くない。精一杯の正直さがあだになった」と、お笑い芸人の非常にわかりやすいたとえで擁護したのが、毎日新聞のコラム「水説」の福本容子論説委員だ。
「『安心してください、はいてますよ』。そんなお笑いネタがあった。パンツ一丁でたくみにポーズをとり、まるで素っ裸であるように見せてハッとさせる。でも、もし本当にパンツをはいていなかったら......。金融庁の報告書が波紋を広げている。『安心してください』と言っていたのに、自力で2000万円用意しろって詐欺だ! 批判が噴出した。
だが、報告書は『あの人、パンツはいてませんよ』と正直に書いたに過ぎない。公的年金だけで老後もそこそこの生活基準をキープするのは一般的に無理。これが現実=『裸』だ。政府も公的年金だけで100年安心と言ってはいない。2004年にできた制度は、平均的な現役会社員が受け取る収入の最低50%を公的年金でカバー、がそもそもの目標だ。当初から残りはご自分で、が前提なのだ。」