「副業元年」といわれた2018年から1年。先日6月3日には、みずほフィナンシャルグループが19年度中に副業・兼業を解禁する方針を明らかにするなど、社員に副業を認める会社は増えている。そうした中で、手に職があるエンジニアは副業をはじめやすいイメージがあるが、実態はそうでもないらしい。
人材派遣のパーソルテクノロジースタッフが、エンジニアと非エンジニアで「副業」の取り組みに違いがあるかどうかを調査したところ、エンジニアのほうが非エンジニアよりも副業をしている人が少ないことがわかった。2019年6月5日の発表。
「時間的に余裕がある」エンジニアはわずか6%
働き方改革の一環で、多くの企業で副業の解禁が話題になるなか、エンジニアの副業は、非エンジニアより進んでいない。「副業をしている」と答えたエンジニアは6.6%。「副業準備中」は6.9%。「副業していないが興味はある」と答えたエンジニアは42.8%だった。
一方、非エンジニアは11.0%が「副業をしている」。エンジニアより5ポイントも高かった。また、6.0%が「副業準備中」で、「副業していないが興味はある」は41.0%だった。
エンジニア、非エンジニアを問わず、副業をする理由は「収入を増やしたい」「将来の不安」「趣味の延長」が多かったが、エンジニアと非エンジニアで差が出たのは、「本業と違う世界の楽しみややりがいを感じたいから」と「時間に余裕があるから」の2項目。非エンジニアが「本業以外でのやりがいを副業に求める」(28%)のに対して、エンジニアのそれは20%と、本業を生かした副業を考えているようだ。
また、非エンジニアの21%が「時間的に余裕がある」と答えたのに対して、エンジニアはわずか6%。じつに15ポイントもの開きがあり、多くのエンジニアが副業をやりたくても時間がない様子がうかがえる。
専門性や技術力を生かした副業を希望するけど......
さらに、どんな仕事を副業にしたい(している)かを聞いたところ、非エンジニアは「ネットオークションやフリマアプリ」(32.8%)、「代行業」(19%)などのジャンルが上位にあがった。
一方、エンジニアは「ウェブコンテンツやアプリの制作・改善・開発」が21.7%、「プロジェクトマネージメント」が12.5%など、専門性や技術力を生かした業種が上位にあげられた。
副業をはじめていない理由では、非エンジニアは「会社で副業が認められていない」「副業の始め方がわからない」(ともに30%)がトップだったのに対して、エンジニアは「副業をする時間が取れない」(38%)だった。
エンジニアの第2位は「会社で認められていない」の31%。第3位の「知識や勉強が必要だから」(26%)は、非エンジニアと比べて7ポイントも高い結果となった。
エンジニアは手に職がありながらも、時間不足や業務にかかるリスクによって、なかなか副業に踏み切れないとみられる。
なお調査は、2019年3月にインターネットで実施。関東・東海・関西エリアに住む20代~50代の男女、社員・派遣・業務委託・フリーランスのIT、機械電気領域で働くエンジニア922人と、非エンジニア100人を対象とした。