問題は「ユーロ/ドル」にあり!
米国金利の低下は、外国為替市場に大きな影響を与えるだろう。ドル円相場には当然下落圧力がかかります。米中貿易戦争の結果としての景気後退も同時にもたらされれば、円はかなりの上昇(円高)を覚悟しなければならないでしょう。100円を割り込む円高も、当然視野に入れないといけません。
問題は、ユーロ/ドルです。ファンダメンタルズが必ずしも良好でないユーロは、緩やかなダウントレンドを形成してきました。しかし、米国金利が1%も下落した場合、欧米の金利差は縮小するため、どうしてもユーロドルには上昇圧力がかかるでしょう。米国の金融緩和に追いつくほど、欧州は金融緩和できないからです。
特に、今秋には新しい欧州中央銀行(ECB)総裁を迎えますが、ドラギ総裁ほど金融緩和論者でない人が総裁に就任する可能性が高いようです。そうなると、ユーロは上昇し、ドルインデックスも大きく下落しそうです。
米中の対立が、今後ますます金融市場を動乱させそうです。いよいよ、目が離せなくなってきました。(志摩力男)