「これだけ健康に悪い物を容認するって、どーよ」
こうしてみると、明らかに発言の一部を切り取って見出しをつくったことがわかる。最後になって無理やり「パワハラ」という言葉を言わされた印象があるが、ネット上では、特に女性から「業務上必要」という発言に怒りが殺到した。「どれだけ足が痛いか、大臣、履いてみなさい!」という次の声に代表される。
「駅まで歩いて電車通勤して、階段上がって降りて、国会に出て、事務所に電車で帰って、夜の会合にもでて、電車と徒歩で家に帰る。このおじさん、これらすべてパンプスでやってみな。まる1年。それでも同じことが言えるかな?」
「この人が一度、パンプスの日常を経験したらいいよ。段差で足首グキッとやって、ピンヒールのかかとが側溝にハマって、その勢いで前につんのめって顔から着地したり、ヒールで階段を降りるのに引っ掛かって一番上から落っこちたり。全部私が経験したことだけどさ」
「かかとや足首、絶対悪くなる。私も昔はパンプス、特にピンヒール好きで履いていたけど、今、かかとや足首の重心が不安定で、ちゃんと立てていない。その影響で膝痛、腰痛から肩凝りに。足はすべての土台だから、歳取って後悔するよ」
そして、これほど健康に悪い物を、国民の健康に責任がある厚生労働大臣が「容認」する姿勢こそ問題だという声が多かった。
「社会通念上と言うなら、明らかに健康に有害なものは、制服として認めるべきではない。健康や医療、公衆衛生を司る厚労省は、むしろ規制をかけるべき立場だ。女性のパンプスは、男性のネクタイや革靴と同様ではない。ネクタイは首が変形するほど締め付けたりしない。男の革靴は、紐等で調整可能だし、ソールとヒールは安定感のある構造。労災や医療費削減の観点からも、パンプス着用の慣行を見直すべきだと思う」
こんな指摘もあった。
「パンプスは整形外科的に非常に体に悪い。外反母趾を引き起こし股関節にも悪く、多くの女性たちを苦しめている。もともと中世の時代に路上の犬の糞を踏まないように考案された靴だから、害悪でしかない。ミュージシャンのプリンスもパンプスで股関節を痛めたことがきっかけとなり、鎮痛剤の過剰投与が死因の一つとなった。はなはだ健康に悪い靴を容認するとは大麻よりひどい」
また、「社会通念上必要な業務とは何か」という疑問の声が上がった。
「カンヌ映画祭で、ある女優さんが、ドレスコードに抗議してはだしで歩いていた。美しく見せることが仕事でもある女優ですらハイヒールの強制は嫌だという時代に、いったいどんな業種でハイヒールやパンプスが必要なの?」
「パンプスでないと客に失礼とか、そういう発想やめようよ。全然失礼じゃない」
「クールビズが当たり前の世の中になってきたのに、どうしてわざわざ蒸れる、パンプスやストッキングはそのままなの?」