「パンプス強制は業務上必要だ」根本厚労相の発言が大炎上! なぜ、あえて女性を敵に回したのか

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   女性に職場でのパンプスやハイヒールの着用強制をやめるように訴える運動が、「靴」と「苦痛」を掛け合わせた「#KuToo」のハッシュタグでインターネット上に広がっており、約2万人の署名と要望書が厚生労働省に提出されていた。

   この問題について、根本匠厚生労働相が2019年6月5日の衆院厚生労働委員会で、「社会通念に照らして業務上必要」と述べ、事実上容認する考えを示したことが、ネット上で炎上騒ぎを引き起こしている。「そこまで言うか!」「オッサン、履いてみなよ」という女性たちの怒りの声が多いが、なかには大臣に同情の声も......。

  • 女性たちを悩ませているハイヒール
    女性たちを悩ませているハイヒール
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メディアの報道が真っ二つに分かれた理由は?

   根本大臣の発言は、立憲民主党の尾辻かな子議員の質問に答えた際に飛び出したものだが、発言のニュアンスについて、翌日の主要メディアの報道は真っ二つに分かれた。

   見出しで「パンプス強制 厚労相容認」、あるいは「パンプス義務付け『業務上必要』厚労相容認」などと、根本大臣が「業務上必要だ」として肯定したことを強調したのが朝日新聞、産経新聞、共同通信だった。

   一方、「パンプス強制『パワハラの可能性も』」「職場のヒール着用『パワハラ』になりうる 厚労相」などと、むしろ「パワハラ」に言及。否定的な考えを示したように伝えたのが読売新聞、毎日新聞、NHKだった。

   こうもニュアンスに差があるのは、メディアの間で「発言の切り取り」が行なわれたからだろうか。いったいどちらが正しいのか、各紙の報道から厚労委員会での尾辻議員と根本大臣とのやり取りを要約すると、こうなる。

尾辻議員「職場の中でハイヒール・パンプスの着用が義務づけられていることについて、大臣の受け止めと、今後の対応を伺いたい」
根本大臣「労働者が働きやすい就業環境を整備することが大変重要だ。労働安全衛生の観点からは、腰痛や転倒事故に配慮して、服装や各事業上の対応が講じられるべきだ。それぞれの職場での判断だと思う」
尾辻議員「ハイヒール・パンプスが義務づけられる必要はあると思うか」
根本大臣「これは、社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと。ま、この辺なんだろうと思う。それぞれの業務の特性がありますから」
尾辻議員「ハイヒール・パンプスを履かなくてはいけない職場はないはずだ。労働安全衛生からも大臣は問題があると思うのか、思わないのか」
根本大臣「社会通念に照らして業務上必要かどうかは、社会慣習に関わることではないかと思う」
尾辻議員「大臣は男性だから厳しいので、(女性の)高階恵美子副大臣に伺いたい。ハイヒール・パンプス着用が義務付けられていることをどう思うか」
高階副大臣「強制されるものではないと思う」
尾辻議員「大臣もこれくらいの答弁をしてほしかった。足が痛い、外反母趾になる、転倒するのに会社に言えない。女性にのみ着用を求めるのはハラスメントに当たると思うが、大臣、いかがか」
根本大臣「社会通念上、業務上必要かつ相当な範囲を超えているかがポイントだと思う。そこでパワハラに当たるかどうかということだ。足をけがした労働者に必要もなく、着用を強制する場合などはパワハラに該当しうる......。」
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