日本の文化に興味津々! 「マナーが悪い」中国人が模範にする「富裕層」のふるまい

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中国人はモノ、コト、ココロを満たしたい

   一方で、教養があり、文化に関心がある「富一代」(アリババ創業者のジャック・マーさんが典型的なイメージです)の間では、日本での「企業学習ツアー」が最近盛りあがっています。

   日本の老舗メーカーや地方の工場訪問、有名な起業家との交流や座談を、自分のビジネスを見つめ直すきっかけにしようというツアーで、中国人の会社が主に企画・運営しています。また、子供に京都、奈良のお寺や神社を見学させるツアーも約3年前から人気を呼んでいます。子供はその結果を、たとえばインターナショナルスクールで、英語で発表したりする。

   唐の時代の長安をお手本に造られた京都、奈良は、中国人にとっても歴史と触れ合う場所。子供に欧米だけではなく、日本文化や昔の中国のことを学ばせたい富裕層が増えている表れです。

   教養や文化への関心の有無は、「富二代」を分ける切り口にもなります。日本の伝統などに関心を抱く若い人たちは、高級着物の着付け、一対一の茶道や華道レッスン、ミシュランに選ばれた名店の料理人が教える日本料理教室、地方では高級梅酒づくりなど、さまざまな上質の楽しみを、どんどん味わうようになっています。

和服に身を包んで茶席を楽しむ中国人カップル(東京都内、カメラマン 于前氏撮影)
和服に身を包んで茶席を楽しむ中国人カップル(東京都内、カメラマン 于前氏撮影)

   受け入れる日本側は、モノ、コト、ココロのすべての面を満足させるサービスを充実させる必要があるのですが、残念ながら目下、こうした面の受け入れ体制はまだまだ未整備で、高度化、多様化している中国富裕層の好みに応えきれない例が少なくないようです。

   彼ら、彼女たちの好みや希望を的確につかみ、それに自分たちの商品やサービスが、どう応えられるか。その課題を考えることが、よりよいマーケティング戦略の第一歩になるでしょう。

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