テレビが商品を取り上げる4つのポイント
「こうして、Web上であなたの会社の情報にテレビスタッフが目を止めたとします。これはおもしろそうだなと。しかし、それだけではテレビは取り上げません。理由は簡単です。テレビは映像だから、常に『これはテレビ的か?』という視点でネタをチェックします。新聞やネットメディアとは違う具体的な4つのポイントが存在するのです」
その4つのポイントとは、これだ。
(1)今、取り上げる理由は? つまり季節ものか、あるいはニュース価値があるか。
(2)問題の解決になるか? つまり視聴者にメリットがあるか。
(3)何より画が持つか? つまり映像的におもしろいか。
(4)ストーリー性があるか? つまり人間的なドラマがあるか。
広報担当者から「出たい番組」として人気の高いテレビ東京のワールドビジネスサテライト。その中に新商品を紹介する「トレたま」というコーナーがある。このコーナーもすべてこの4つのポイントで構成されているという。長谷川さんが実例をあげたのは、最近紹介された、傘とキャリーバックが一体になった「快進キャリーバック」というアイデア商品だ。
「大きな荷物を持っている時の突然の雨。この時期、旅先での雨、気が重くなりますね」というナレーションでVTRが始まる。実際に雨を降らせる映像が流れる。時期は梅雨。つまり、そこには(1)の「今、取り上げる理由」がある。
続いてナレーション解説で、その商品が、傘とキャリーバッグが一体型になったグッズであることが判明。梅雨の時期に不便さを解決できるから、(2)の視聴者のメリットもクリアした。さらにVTRが続く。「疲れた時は(キャリーバッグに)座ることもできます」。映像では開発者のオジサンが、ヨッコラショと座って見せた。(3)の「映像的におもしろい」もこれでクリアした。
そしてVTR後半、開発者のオジサンが「70歳になり、キャリーバッグを持ち歩くのがつらい」と、自分の実体験から高齢者に優しいグッズを開発したという秘話が明かされる。(4)のストーリー性も十分あったわけだ。