「テレビには臆病で情報弱者という弱点がある」
さらに長谷川さんは「番組制作者と同じ視点を持つことができれば、取材誘致の確率が飛躍的にアップする」と強調した。その視点とは何か?
「今やテレビはどこよりも臆病なメディアに成り下がってしまいました。朝の情報番組で、新聞の朝刊チェックのコーナーがありますね。同じメディアなのに、テレビがライバルの新聞記事を紹介するのはなぜか。新聞の取材力には劣り、ネットメディアの即時力にかなわなくなったという面もありますが、じつはクレームが怖いのです。ほかのメディアが取材した内容を紹介すれば、もしクレームが入っても、そのメディアのせいにできると...」
この「臆病さ」に加え、テレビを攻略するうえで知っておきたいもう一つの弱点、テレビの急所を吐露した。
「テレビマンは忙しすぎるせいか、意外に情報弱者が多い。私たち放送作家やスタッフがネタ出しをする際も、これは○○という人気情報サイトに載った、『日経トレンディ』も取り上げた、といった風に『流行』と『権威』という印籠を突きつけると、『あっ、そう』とOKが出るケースがあります」
つまり、テレビを狙うには、臆病なテレビを安心させる根拠をつくることと、流行に弱いテレビを納得させるトレンドを醸成させることが先決となる。そのためには、Web上を自社の情報で真っ黒に染めてあげること。つまり、どんな小さな情報でも「これはニュースにはならないだろう」と、自主規制をかけずに小まめにリリースを配信。もちろんホームページやブログ、SNSも積極的に活用。オウンドメディアの充実化をはかる必要がある。
また、番組制作スタッフが情報収集のために定期的にチェックしているWebメディアに対し、積極的に自社の情報を提供し、記事を掲載してもらうこともテレビの近道になる。