米サンフランシスコのコーヒーチェーンが、1杯75ドル(約8200円)のコーヒーを販売して話題になっています。
1週間ほどで「20杯売れた!」と報じられている「世界一高いコーヒー」。いったいどんな味がするのでしょうか? また、日本上陸の可能性は?
全世界で800杯分しかないコーヒー豆
今回、1杯75ドル(約8200円)の「世界一高いコーヒー」を販売したのは、カリフォルニア州のコーヒーチェーン「Klatch Coffee(クラッチコーヒー)」です。
Klatch Coffee in San Francisco is selling a $75 cup of coffee
(サンフランシスコのクラッチコーヒーが、1杯75ドルのコーヒーを販売している)
a cup of coffee:一杯のコーヒー
そうでした。コーヒーの数え方は「a cup of」(~杯の)を使うと英語の授業で習いましたね。カップの数で数える方法です。コーヒーチェーンのオーナーによると、すでに「約20杯」売れているとのこと。「20杯のコーヒー」を英語で表すと、下記になります。
His cafe has already sold about 20 cups of coffee
(彼のカフェではすでに、約20杯のコーヒーを売った)
20 cups of coffee:20杯のコーヒー
「クラッチコーヒー」の中でも、シリコンバレーがあって物価や家賃が高い街として知られるサンフランシスコの1店舗のみで販売されている、このコーヒー。「エリダ・ゲイシャ・ナチュラル」というパナマ産の最高級豆を使用しています。
ちなみに、「エリダ・ゲイシャ・ナチュラル」は「コーヒー豆のアカデミー賞」とされる賞を受賞しており、全世界で約800杯分のコーヒー豆しか流通していないとか。そのうちの10%を「クラッチコーヒー」が購入したため、「全米で80杯しかない!」と米メディアがその希少性を報道していました。
「残りの90%はどこの国が購入したのかな?」と思っていたら、なんと、次の記事を発見!「クラッチコーヒー」のオーナーによると、日本にも輸入されているそうではありませんか!
Most beans went to Japan, China and Taiwan
(ほとんどの豆は、日本や中国、台湾に行ってしまった)
あわてて「エリダ・ゲイシャ・ナチュラル」をグーグル検索してみたら、日本でも販売されていました!
ただし、あくまでもコーヒー豆の販売のみで、今のところカフェでの提供はなさそう。世界的な話題になっていますし、ご興味のある方は早めにご購入されたほうがよさそうです。
「パンチ」が効いて「めっちゃ、おいしい」
それにしても、1杯8000円を超える超高級コーヒーの、そのお味のほどが気になります。じつは、20人ほどのラッキ-なコーヒーファン(やメディア)が「クラッチコーヒー」での「試飲会」に招かれて、ご相伴にあずかったそうです。さて、その感想は......。
It was "very different" from any coffee I'd ever tasted
(これまで味わったどんなコーヒーとも「まったく違う味」だ)
It was shockingly good
(ゾッとするほど、おいしい)
shockingly:ゾッとするほど、恐ろしいほど
It is very smooth, with a good taste and packing a punch
(とてもなめらかで、おいしくって、強烈だ)
pack a punch:パンチが効いた、強烈な
「ゾッとして強烈な味」っていったいどんな味なのか想像がつきませんが、これまで味わったことのない「全く違った味」であることは確かなようです。
実際は、「フルーツのような味」らしく、「ミルクや砂糖を入れずにブラックで味わう」のがお作法だそうです。
では、「今週のニュースな英語」は、世界で一番高いコーヒーを味わった感想の中から「pack a punch」(パンチが効いた、強烈な)を使った表現を紹介します。オフィシャルな場面ではなく、仲間うちで使うといいでしょう。
The Spanish wine packed a punch.
(そのスペインワインはかなり強烈な味だった
Be careful!These hot peppers really pack a punch
(気を付けて。このトウガラシ、すごく辛いから)
This novel packed an emotional punch
(この小説、めちゃくちゃ感動するよ)
日本語にすると、「メチャクチャ辛い」とか「めっちゃ、おいしい」といったニュアンスがしっくりくる気がします。
「パンチ」が効いて「めっちゃ、おいしい」らしい最高級コーヒー。これだけ世界中でニュースになれば、「試飲」の20杯を無料で提供してもとっくに元が取れたことでしょう。個人的には、たった20杯で世界中にその名を広めた「クラッチコーヒー」オーナーの戦略に「あっぱれ」を差し上げたいです。(井津川倫子)