その87 天皇即位に伴う「恩赦」 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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加害者の恩赦に被害者の気持ちは......

   一方、国民から選ばれた裁判員が刑事裁判に関わる「裁判員制度」が始まって10年になる。判決までの過程で市民感覚が裁判に入り、犯罪の被害者の立場が重視されてきた。政府も犯罪被害者保護法を成立させ、被害者の救済に力を入れてきた。

   それらを差し置いて、被害者の気持ちとは関係なく、加害者が恩赦を受けることは、被害者には割り切れないものが残るだろう。

   また、これまでの恩赦では、公職選挙法の違反者の公民権を大量に復権させてきた。これは、政治家が自分たちの「支援者」を救うことにほかならない。

   恩赦がすべて論外というわけではない。先に書いた「常時恩赦」があるのに、皇室の慶弔事にかこつけておこなう恩赦には、合理的な理由が見いだせないのである。令和への代替わりを機に、きっぱりと決別すべきではないだろうか。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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