安倍首相はトランプ米大統領に何を約束させられた?「おもてなし狂想曲」を新聞報道で読み解く

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自動車、農産物の陰に隠れる巨額の防衛装備品

   読売新聞は社説で、こうしたトランプ氏の要求に日本はキッパリした態度を示すべきだと主張する。

「制裁をちらつかせながら、交渉期限を設けて譲歩を迫る手法は、国際ルールに反しよう。対米輸出台数に上限を設けるといった提案をされても、拒否しなければならない。農業分野でも、TPP合意を上回る市場開放を迫ってくる可能性がある。TPPから離脱した米国が、参加国より有利な条件を得ては筋が通らない。TPPと同水準の合意にとどめるべきだ」

   今回、農産物と自動車に焦点が集まったが、じつはトランプ氏が日本に期待したものがもう一つあった。それは米国産兵器の大量購入だ。訪日最終日の5月28日、安倍首相はトランプ氏との締めくくりの舞台として、海上自衛隊横須賀基地の護衛艦「かが」の視察を選んだ。「強固な日米同盟を示す狙いがある」と強調されたが、安倍首相のホンネを日本経済新聞が明かした。

「(農産物や自動車の)日米双方の隔たりは大きく、首脳会談でも着地点は見えない。そこで期待するのが防衛装備品だ。日本はF35戦闘機を将来的に147機体制とする。1機の価格が100億円を超え、追加の購入費は1兆円になる。F35戦闘機はトランプ氏が熱心にトップセールスをかける『主力商品』である。首相がトランプ氏を『かが』に招いた背景には、トランプ氏に高額の調達をアピールする思惑もある」

   ちなみに「かが」は、F35戦闘機の配備によって、事実上、専守防衛の憲法では禁じられている「空母化」することになる。

   今回、トランプ氏のツイートからハプニングも起こった。「すわ、衆参同日選の思惑を安倍首相はトランプ氏に伝えたのか!」という衝撃が政界に走ったことを各紙が伝えている。

「トランプ大統領が日米貿易交渉に関し、『7月の選挙後まで待つ』とツイートした際、『選挙』を『elections』と複数形で表現したことが波紋を広げている。安倍首相が衆院を解散して『衆参同日選』に踏み切る可能性をトランプ氏に伝えたのではないか」(毎日新聞)

というわけだ。

   ただ、参院選は多くの選挙区で行なわれるため、複数形の「s」をつけてもおかしくはない。結局、「うがちすぎだ」(自民党幹部)ということで収まったが......。

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