食品ロス削減推進法成立、残るハードルはまだまだたくさんありそう(気になるビジネス本)

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社会が変わらないと...

   食品ロス削減推進法は国が基本方針を策定し、都道府県や市町村がそれに基づき推進計画を策定する。実効性が分かるのはこれからだ。コンビニ側が消費期限について弁当の販売を柔軟化しても、コンビニ会計などの仕組みがそのままで大量廃棄も続きそうだ。削減をなお推進するには消費者の意識改革や、社会全体での取り組みが必要のようだ。

   本書では、あるコンビニオーナーの声として、こんな発言が紹介されている。

「おにぎりの棚が薄くなっている時、お客さんから『これだけしかないのか』と苦情をいわれたことがある。その人が買うのはどうせ一つか二つで、梅とおかかみたいなオーソドックスなものだとしても、『たくさんの中から選ぶ』ことが当たり前になっていて、それができないと不満を感じる消費者も少なからずいる。そういう消費者の気持ちを満たすために、廃棄が出ることがわかっていても、いつでも多くの選択肢を準備しておくことが必要になっている」

   こうした指摘とは対照的に、意識を高く持つ人もいるのだが、社会がそれに報いるようになっていない場合も。たとえば「ドギー・バッグ」だ。飲食店で食べ残した料理を包んでもらい持ち帰るもので米国では広く行われている。日本では、自宅でのトラブルの原因となることを店側が嫌がりハードルが高い。著者の一人は、4歳の長女と出かけた料理教室で持ち帰りにダメ出しを受け「自己責任で...」と食い下がったが、応じてもらえなかったと嘆いてみせた。

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