私たちにとって、美容は大きな関心ごとです。世の中には美容に関する、多くの情報があふれていますが、間違っているものが少なくありません。消費者が知っておくべき情報が届いているとはいえないのです。
自身が20年間肌荒れに悩んだ美容皮膚科医の菅原由香子さんは、医学的な観点で研究を続けた末に、肌荒れを克服しました。そのノウハウをまとめた一冊です。菅原さんに、聞きました。
「化粧いらずの美肌になれる3つのビューティケア」(菅原由香子著)三笠書房
オススメしたい「手づくり」化粧品
菅原由香子さんは、間違ったヘアケアが多いと指摘。シャンプー、リンス、トリートメントに含まれている成分は、皮膚にとって刺激が強すぎるからだという。そのため、無添加で発泡剤などが含まれていない、固形石けんでの洗髪を推奨している。
「石けん洗髪を始めて1か月ほどはベトベトして、頭皮の臭いが気になるかもしれません。シャンプー洗髪を続けてきた頭皮は、毎回必要な皮脂まで流されていたため、流れた分を補うために皮脂を出す力が強まっているのです。しかし、石けん洗髪を続けていると、皮脂を分泌する力が弱まり、ベタつきも臭いもなくなってきます。
さらに、皮脂の分泌量が減るので毛穴が詰まりにくくなり、髪の毛にハリやコシが出てきます。リンスは薬局・薬店で売られているクエン酸を使用します。クエン酸はお肌に傷がある時にはヒリヒリしますが、害はありません」
菅原さんは、そう説明した。
また、最近は自然化粧品が流行っているが、菅原さんは「手づくり」化粧水を推奨しており、自身もつくっている。そのつくり方を聞くと――。
「つくり方は簡単です。水にグリセリンを溶くだけで化粧水ができあがります。お肌は弱酸性にすることで健康が保たれるので、クエン酸を加えて弱酸性にすると、なおよいでしょう。水は精製水を使用することが好ましいですが、浄水器を通した水道水でも十分です。
ただ、決してアルカリイオン水や酸性水は使わないでください。保湿力が足りないと感じるようであれば、ヒアルロン酸を加えます。このようにしてつくった化粧水は、1週間以内に使い切ってください。日数がたつと雑菌が繁殖してしまいますから」
菅原さんは、「手軽につくれる」とオススメする。