「指示待ち社員」にも三つのタイプがある
こうした「指示待ち人間」をどうしたら自分から動くようにできるだろうか。J-CASTニュース会社ウォッチでも連載コラムを持ち、ビジネスマナーとコミュニケーションに詳しい篠原あかねさん(スマートコミュニケーションズ代表)に聞いた。
――社員研修で多くの企業を回られていますが、「指示待ち人間」は増えているのでしょうか。
篠原あかねさん「けっこう多いです。人事担当者のお悩み第1位と言っていいでしょう。言われたことはやるけれど、自分から動こうとしない人たちですが、三つのタイプにわかれます。
私の命名ですが、一つ目が『キャリアプラン欠如型』。自分の将来像が見えない。ロールモデルになる先輩がいない。上司も、なぜこんな人間が上にいるのかわからない。社内の飲み会でも、会社の愚痴や他人の悪口ばかり言っている。こんな情けない人間になるのかと思うとイヤになるというわけです。
また、会社が社員をどう評価しているのか、基準が明らかになっていない。だったら、言われたことだけやっていればいいや、よけいなことをすると損しちゃうから自分からはやらない、というタイプです」
――会社や先輩、上司に対して非常に冷めた目で見ているわけですね。
篠原さん「そうです。しかし、二つ目の『リスク回避型』は、逆に、もともとやる気があるタイプです。ところが、何かでミスをした時に上司から『勝手なことをするな。俺の言うとおりにしていればいい!』と叱られた。いわばパワハラの経験者ですね。今の若い人は、子どもの時から厳しい言葉で注意されることに慣れていません。叱られるのが怖いから自分から動こうとしなくなり、言われたことだけやればいいや、とリスクを避けるようになったタイプです」
――三つ目はどんなタイプですか。
篠原さん「もともと自分自身に対して自信がまったくない。叱られるのが怖いから、首をすくめて絶対に自分から動こうとしない『カメさん型』タイプです。言葉はよくないですが、無能な人で、採用した会社のほうが悪いです。売り手市場なので、こういう人でも採用する中小企業が多いのです」