「Sell in May」(株は5月に売れ)の格言のように、ゴールデンウイーク明けから下落していた東京株式市場に、チラリと回復の兆しが見えてきた。
株価下落の原因となった米中貿易協議への不透明感が漂うなか、そんな株安を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが強まった。円高傾向で、株価はなかなか上昇を見込めないが、歯止めはかかってきたかも。さて、どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 2万1000円台を固める展開か
日経平均株価予想レンジ:2万800円~2万1500円
2019年5月17日(金)終値 2万1250円09銭
今週の日経平均株価は、2万1000円台を固める展開か。
前週の日経平均株価は、米中貿易摩擦の激化や円高傾向を嫌気し、日経平均株価は下落した。一時は、2万1000円台を割り込んだものの、週末(17日)には2万1000円台で取引を終えた。
今週の日経平均株価は、2週連続で下げ相場となったことから、リバウンドの動きとなり、2万1000円台を固める展開となりそうだ。
トランプ米大統領が中国との貿易交渉を順調と発言したことで、市場では安心感が広がり、米中貿易戦争の悪化懸念は薄らいでいる。ただ、中国が報復関税の実施を決めており、まだまだ火種が燻っている状態。加えて、国内では20日に1~3月期GDP(国内総生産)が発表されるが、国内の景気悪化懸念が強まっているだけに、結果が悪ければ、日経平均株価の下げ材料となる。
注目は、25日から来日するトランプ米大統領関連の報道で、内容次第では波乱要因になりそうだ。
経済指標は、国内では20日の1~3月期GDP、21日の4月訪日外客数、22日には4月貿易収支と3月の機械受注、24日の4月の全国消費者物価指数。海外では、21日の米国の4月中古住宅販売件数とパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長発言、OECD(経済協力開発機構)の世界経済見通し、22日の4月30日・5月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録、23~26日までの欧州議会選挙に注目したい。
東京外国為替市場 トランプ発言に要注意!
ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~111円50銭
2019年5月17日(金)終値 1ドル=110円07銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみあいか。
前週の外国為替市場でドル円相場は、1ドル=109円台半ばでもみあいが続いたが、トランプ米大統領が、自動車の関税上乗せを先送りしたことや米国の経済指標が市場の予想を上回ったことなどから、強含んだ。1ドル=110円台を回復した。
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみあい相場となりそうだ。米中の貿易協議に不透明感が残っており、一方向には動きづらい。注目は22日に発表される4月30日・5月1日のFOMC議事録。トランプ米大統領が利上げを強くけん制していることから、FOMCでどのような議論が交わされたのかが注目される。
経済指標では、国内では、20日の1~3月期GDP、22日の4月貿易収支。海外では、21日のOECD(経済協力開発機構)の世界経済見通し。また、25日から来日するトランプ米大統領の事前報道には注意が必要。
(鷲尾香一)