「10月買い」「4月売り」の有効性
もし、5月と10月に株価が下がりやすいというのなら、10月末に買って、4月末に売れば、割安な価格で買って、割高な価格で売ることができるはずである。
そこで、ある年の4月の終値でS&P 500指数を買い、10月の終値で売った場合と、10月の終値で買い、翌年4月の終値で売った場合の平均リターンを比較した。
結果は、次のようなものだった。
このとおり、検証の結果は驚くべきものだった。
「4月買い、10月売り」が平均してわずか1.5%の利益しか上げていなかったのに対して、「10月買い、4月売り」は7.0%もの利益を上げていた。
サンプル期間の長さ(十分なサンプル数があること)を考慮すれば、この考察は妥当なものと考えてよいだろう。
一般に、アノマリーとは効率的市場の仮説では、説明できない相場の経験則とされる。
ただ、季節性のアノマリーについては、現実社会の制度も関連してくる。企業決算は4半期ごとに行われ、また法人税の納付は1年ごとである。
そのような季節性のイベントが、相場のアノマリーを生んでいるのではないだろうか――。相場のアノマリーを、今後の投資活動に役立ててみるのはいかがだろう。(ブラックスワン)