業績アップのカギは中国にあり! 関西ペイントに期待するワケ(石井治彦)

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「買い」は1800円前後とみた!

   一方、日本では「壁紙の豆知識 壁紙の歴史」によると、「日本では1960年代にマンションブームが起こり、住宅都市整備公団が供給した『団地型』のマンションが『新しい居住の形』として多くの人に受け入れられるようになった、とある。塗装よりも壁紙が重宝されたようだ。

   つまり、塗装は海外でのニーズが旺盛であるわけだ。そこで日本ペイントと関西ペイントの海外展開を比べてみたら、関西ペイントのほうがバランスがとれていた。

   会社四季報 最新銘柄レポートによると、関西ペイントは、「南アフリカ、インド、インドネシア、タイ、中国などで生産増強や工場新設など積極的な投資を展開」しているが、日本ペイントは売上高に占める中国への依存度が高いと感じた。これも、関西ペイントに好感をもった理由の一つだ。

   関西ペイントの10年の長期チヤートから推測すると、買値は1600円~2000円あたりか。中期的には1800円~2000円の範囲で推移しそう。

   今後、難航する米中貿易協議で、双方がどこで妥協点を見いだすか予測できない状況だが、中国景気に底打ち感が出てくるようであれば、中国での建築・土木などの公共投資や自動車などに使用される塗料の需要拡大が見込まれ、収益率の改善が期待できると考えている。

   これまで進めてきたM&A(企業の買収・合併)の成果を享受する段階に入ることもある。

   関西ペイントの株価は、2018年には高値3055円、安値で1610円をつけている。2019年4月8日に2233円の年初来高値をつけている。元号が変わり「令和」になって9営業日で、日経平均株価の下げ幅は1008円64銭(4月26日、2万2258円73銭→5月17日、2万1250円09銭)となっている。

   さしあたり1800円を中心に上下50円での「買い」を考えている。当面、米中貿易摩擦の推移と、実体経済に及ぼす影響から目がはなせない。

2019年5月16日現在       保有ゼロ
年初来高値   2019/4/8  2233円00銭
年初来安値   2019/1/16 1805円00銭
5月17日終値       1863円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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