「時間とお金」と「企業の評価」がネック
フリーコメントで、学び直しに取り組んだ人たちの声を見ると、
「現在の仕事で必要なスキルと知識は学校教育ではえられない。学びなおさないと、業務の遂行が難しいと思う」(40代・パート)
「チャンスが広がるので、これからも興味のある分野の知識や技能は学んでいきたい(30代・フリー)
「学び続けることで仕事・人間関係の幅が確実に広がった」(30代・フリー)
と、学んでよかったという人が多い。
一方で、こんな問題点を指摘する声もあった。
「学費だけでなく、授業中に子供を預けるための無認可保育園代もかなりかかった(40代・パート)
「雇用保険の教育訓練給付金をもっと増やしてほしい」(50代・パート)
「せっかく頑張っても学び直すことに対し、企業の評価が追いついていない。企業にとっても有益なのだから、雇用や賃金で報いてほしい(30代・パート)
などだ。
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に対し、「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長は、こう語っている。
「『学び直しをしたい』人が9割以上もいるとは、正直驚きました。もともと働く意欲の強い女性が対象の調査ですが、改めて学びたいという意欲に性別は関係ないと思いました。学び直しの理由として、7割の人が『転職・再就職など新たな仕事に就くため』を挙げています。確かに、実際に学んだ人の多くが『仕事の役に立った』と答えています。
しかし、女性の場合、学び直したいと思っても、なかなか実行に移しづらいのが現状です。コメントを見ても『時間とお金がネック』という声が多く見られました。働く主婦層にもっと時間的ゆとりができるようなサポート、たとえばeラーニングなど時間の融通を利かせながら学べる仕組みや、学び直し費用の補助など、人生100年時代をより豊かに過ごすための社会システムづくりを進める必要があると考えます」
(福田和郎)