米中貿易協議をめぐり、またも飛び出した「トランプ発言」に、ドル円相場は激震が走った。リスクセンチメントが急激に悪化し、2019年5月6日のドル円相場は3日と比べて円高ドル安となる1ドル=110円60銭付近で取引を開始したが、8日には東京株式市場で日経平均株価が下落するとドル円相場は約6週間ぶりに心理的な節目である110円を割れて、109円91銭まで下落。10日は再度109円47銭まで下落する場面もみられたが、その後はややドルが持ち直した。
大荒れ相場に、早稲田大学は静観。トランプ相場をうまく読んだ明治大学と一橋大学、國學院大学が大きく伸ばした一方で、最近好調を維持していた慶応義塾大学が思わぬ不覚。コツコツ積んできた利益が吹き飛んでしまった。
大荒れ相場に静観を決め込む(早稲田大)
5月10日(金)
前週はかなり変動幅のあった1週間だったが、今週のドル円相場は前週のそれとは比較にならないくらい大きく乱高下していた。
前週末(3日)の終値が1ドル=111.50円ほどだったのが、いまや1ドル=109.70円と2円近く円高ドル安が急激に進行している。
原因は「トランプ発言」とみて、まず間違いないはずだ。ことの発端はトランプ米大統領が米中の貿易摩擦問題に対する中国側の対応に不満をもち、今まで保留していた2000億ドル分の関税引き上げの強硬実施に突如踏み切ったことだ。
加えて、従来は非課税対象であったおよそ3500億ドル分の輸入品に対しても同様に25%の関税を適用すると示唆した。これを受けたドル円相場も大きく反応。リスクオフから円買いが急速に進み、その日は最安値1ドル=110.50円まで下落した。
一方の中国側は米国政府の関税引き上げに対して、対抗措置の可能性もにおわすなど強固な姿勢を保つ声明を発表した。米中交渉が決裂する可能性が再燃したことは、株式市場など全世界の金融市場に影響を与えている。けさから米中閣僚会議が行われているが、この結果もまたドル円相場を揺れ動かすものとなるはずだろう。
個人的には、米国お得意の難題を吹っかけて妥協案を押し付けるスタイルなのではと思い、ひとまずこの件は鎮火してドル高に動くと予想する。今週はトレードなし。総資産は変わらずだ。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
5月10日現在 8282円
米中貿易協議は要注意(明治大)
5月7日(火)
ゴールデンウイークが終わったと思えば、「トランプ砲」によって米中関係悪化のリスクオフで、早々に下に窓を開ける(前週の終値と今週の始値のあいだに大きな価格差があるときをいう)形となった。窓埋め(一たん開いた窓から、前週の終値に為替水準が戻ること)が来るかと思い、1ドル=110.83円でロングポジションを持った。窓埋める様子がなく、110.74円で損切りした。
前回の方針どおり、ショートでいく。1ドル=110.71円で「売り」ポジションを持った。
5月8日(水)
窓を開けて跳ね返した1ドル=110.30円の手前の1ドル=110.32円で利益を確定した。下がる力が強いので、1ドル=110.11円で再びショート(売り)。
5月9日(木)
また米中関係の改善を指すトランプ発言があり、かなり意識されてそうなサポートライン(=支持線。相場が一定の水準を維持して、それ以上は下落しないとみられる水準をいう)も近いのでその手前の1ドル=109.88円で利益を確定した。
今週は、530円のプラス。
窓を開けたからと言って、窓埋めが来るとは限らず、窓を埋めできる要因がしっかりあるかを調べる必要がある。今週はトランプ発言によって動かされたが、まだまだ米中関係も安心というわけではなさそうなので注意したい。
窓開けで完全に上昇トレンドがなくなった。レンジは上が1ドル=110.8円~109.7円といったところだが、1ドル=110.8円を越えれば、ダブルボトム(安値をつけて反発した後に再び同じ水準の安値をつけた後、上昇に転じるパターン)の可能性が出てくるので、そこを越えれば上に行く力が強まるだろうか。
前週からの損益 プラス530円
5月10日現在 1万3506円