次世代へ託す「守・破・離」の精神 上皇さまがみせた「承継」のお手本(大関暁夫)

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   世間的には史上最長の10連休というゴールデンウィークを終え、元号は平成から「令和」に改まりました。

   元号変更は、上皇から新天皇に国民の象徴の地位が譲り渡されたという意味で、国家レベルでの大きな継承プロジェクトです。

  • 新しい天皇陛下は即位後朝見の儀で上皇さまの「強い御心」を受け継ぐ決意と述べた(2019年5月1日、皇居・松の間で)
    新しい天皇陛下は即位後朝見の儀で上皇さまの「強い御心」を受け継ぐ決意と述べた(2019年5月1日、皇居・松の間で)
  • 新しい天皇陛下は即位後朝見の儀で上皇さまの「強い御心」を受け継ぐ決意と述べた(2019年5月1日、皇居・松の間で)

上皇さまの見事な「後継」ぶり

   上皇陛下は、「神」から「人間」に変わられた昭和天皇の後を継いで、約30年にわたって国民の象徴として、その役割の遂行に日々腐心されてきました。父である昭和天皇は、戦前は「神」であり、終戦時には国内外から、その戦争責任を云々されたこともありましたが、戦後その存在は一「人間」に改められ、国民の象徴として職務に携わってこられました。

   上皇は終戦時、まだ小学校高学年生。やっと物心が付くかつかないかの年齢で、大きな変化を強いられた父の立場を目の当たりにし、また自らも「神の子」から「人の子」へと立場が変わる中で、さまざまに考えるところがあったであろうことは想像に難くないところです。

   人生半ばにして「神」から「象徴」への移行を余儀なくされ、新たな道を歩まれた昭和天皇。そして、その後継者を宿命づけられた上皇は、後継者として見事な後継ぶりを世間に見せてくれたのではないかと思います。

   「象徴」として父から学んだその姿勢をさらに一歩前に進め、「常に国民に寄り添う」という気持ちを自ら行動で示してきた、その姿勢は多くの国民が感謝と畏敬の念をもって見守ってきたのではないでしょうか。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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