世間的には史上最長の10連休というゴールデンウィークを終え、元号は平成から「令和」に改まりました。
元号変更は、上皇から新天皇に国民の象徴の地位が譲り渡されたという意味で、国家レベルでの大きな継承プロジェクトです。
上皇さまの見事な「後継」ぶり
上皇陛下は、「神」から「人間」に変わられた昭和天皇の後を継いで、約30年にわたって国民の象徴として、その役割の遂行に日々腐心されてきました。父である昭和天皇は、戦前は「神」であり、終戦時には国内外から、その戦争責任を云々されたこともありましたが、戦後その存在は一「人間」に改められ、国民の象徴として職務に携わってこられました。
上皇は終戦時、まだ小学校高学年生。やっと物心が付くかつかないかの年齢で、大きな変化を強いられた父の立場を目の当たりにし、また自らも「神の子」から「人の子」へと立場が変わる中で、さまざまに考えるところがあったであろうことは想像に難くないところです。
人生半ばにして「神」から「象徴」への移行を余儀なくされ、新たな道を歩まれた昭和天皇。そして、その後継者を宿命づけられた上皇は、後継者として見事な後継ぶりを世間に見せてくれたのではないかと思います。
「象徴」として父から学んだその姿勢をさらに一歩前に進め、「常に国民に寄り添う」という気持ちを自ら行動で示してきた、その姿勢は多くの国民が感謝と畏敬の念をもって見守ってきたのではないでしょうか。