心当たりがある場合は「男性ホルモン」を計測してみる
男性更年期に詳しい専門家である辻村晃教授によると、男性更年期障害は男性ホルモン値の低下が原因のため、「男性ホルモン補充療法」を行うことで大きな改善がみられる。男性更年期障害は、最近では広く認知されつつあり、30代で来院する患者が増えているという。
うつ病と勘違いして心療内科を受診。うつ病の薬をもらい、たくさん飲んでいたがよくならず、仕事も休職するほど症状が悪化した患者さんが、男性更年期障害だとわかりホルモン充填をしたら、みるみる元気になった」という人もいたそうだ。
辻村教授は、「心当たりがある場合は「男性ホルモン」を計測したほうがいい」と薦める。男性更年期外来で「男性力ドック」を受診すれば、わかるそうだ。計測してみて、男性ホルモンが8.5以下になっているようであれば、「きちんと診てもらったほうがいいでしょう」と話す。
一般的に、ホルモン量は運動をすると分泌されるため、「男性更年期障害」を予防するには、適度な運動をすることが効果的とされる。ただ、マラソンやトライアスロンなどの過度な運動は、逆に男性ホルモン値を下げてしまう。
また、気分が高まること、おもしろいと思えること、好きなこと、社会に関わることも男性ホルモンの分泌を促すそうで、デートをしたり、趣味に没頭したりという時間をつくることも大切という。
プロフィール
辻村晃(つじむら・あきら)
順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科教授
メンズヘルスクリニック東京 男性更年期専門外来担当医
1988年兵庫医科大学卒業。国立病院機構大阪医療センターに勤務後、米ニューヨーク大学に留学。細胞生物学臨床研究員。帰国後、大阪大学医学部泌尿器科准教授などを経て、2017年2月から現職。 生殖医学、性機能障害の治療に注力し、不妊に悩む夫婦を数多く助けてきた。日本泌尿器科科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療指導医。