「女性活躍推進法」が2016年4月に施行されて3年が経過した。女性を取り巻く環境や意識、行動はどのように変わったのか――。ソニー生命が女性の活躍に関する意識調査を実施したところ、約4割が「家庭」や「職場」で「イキイキと活躍している」と思っていることがわかった。2019年4月24日の発表。
女性にとって働きやすい環境が少しずつ、家庭や職場で整いつつあるようだ。
子育て女性のほうが満足度は高い
ソニー生命の調べによると、日本では女性が「どの程度イキイキと活躍していると思うか」を、家庭や職場などの場面ごとに聞いたところ、「そう思う」(「非常に」と「やや」の合計)と答えた女性は、「家庭」で42.9%、「職場」は37.7%にのぼった。女性の約4割の人が、家庭や職場で「イキイキと活躍している」と思っている。
「地域社会」と答えた女性は29.9%、「ネットコミュニティ」は33.2%となった。
就業の状況と子どもの有無別にみると、子どもがいる働く女性は「家庭」で49.0%と全体より6.1ポイント、「職場」では47.8%と全体より10.1ポイント高い結果になった。子育てしながら働いている女性のほうが、より満足度が高い様子がうかがえる。
過去の調査との比較では、「家庭」で「イキイキと活躍している」と思っている人の割合は前回(2017年、38.2%)から、4.7ポイント増えた。「職場」でも34.8%だったのが、今回の調査では2.9ポイント上昇した。女性にとって、少しずつ働きやすい環境が整いつつあるようだ。
一方、前回43.0%だった「ネットコミュニティ」では、今回は9.8ポイント下落して33.2%となった。「友人や知り合いの反応が過剰に気になる」や「『いいね!』を義務感で押す」など、いわゆるSNS疲れを感じている女性が増えているのかもしれない。
ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部のシニアアナリスト、石川久美子さんは、
「近年、多くの問題を抱えつつも、女性の社会進出は進んでいます。それに伴い女性の生き方は、結婚するかどうか、仕事をし続けるかどうか、子どもをもつかどうかなど、選択肢が増えました。仕事の仕方も、どれだけキャリアを求めるか、家庭とのバランスをどうするかなど、人によって異なるでしょう。今は女性が、自分の人生を決められる時代になりました。『どう生きるべきか』に正解はありませんが、働くこと、子どもを持つことの両立ができている女性は、生活満足度が高く、その周囲からも『イキイキしている』と、前向きな評価をうける傾向にあるようです」
とみている。
なお調査は、2019年3月15~19日、全国の20~69歳の女性1000人を対象に、インターネットで実施した。