2019年の新卒入社「初任給」伸び悩み? アップした企業は前年より減少

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ファーストリテイリング、2020年は2割アップ

   産業別にみると、製造業で46.9%の企業が初任給を引き上げたのに対して、非製造業は22.5%と2割台前半にとどまり、24.4ポイントもの差がみられた。人手不足の社会状況を反映して製造業では各企業が初任給を引き上げて採用に臨んだ一方、金融や情報通信などの非製造業の企業では、進化が著しいテクノロジー依存を強めていることもあり、そうした違いがこの差につながったとみられる。

   製造業の中でも、業績が好調なほど、強い採用意欲をストレートに初任給で示している。カジュアル衣料の「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングは4月に、20年採用の新入社員の初任給を2割引き上げることを明らかにした。現行21万円から25万5000円となるほか、前年入社などの若手社員の報酬も引き上げ、「採用競争力」の強化を打ち出している。

   中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は2017年に「新卒初任給40万円」の求人情報を掲げて話題になったが、20年の採用情報でも「学士卒:月給40.1万円、修士了:月給43.0万円」などの待遇を掲げている。

   初任給を引き上げた企業の割合をめぐっては、リーマン・ショックの影響を受け世界的不況に陥った09年に、前年の32.7%から6.4%へと大幅にダウン。労働行政研究所によると、その後13年まで10%未満の低空飛行が続いた。

   だが、2014年には輸出産業を中心とする企業業績の回復、デフレ脱却に向けた賃上げの政労使合意などを背景に23.2%と、13年の4.2%から19.0ポイント上昇。賃上げ基調が続いた15年はさらに上昇して39.9%となった。16年は33.9%、17年度は29.4%と30 %前後であったが、18年は再び大きく上昇して39.7%となっていた。

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