【外国人に聞く!】外国人も起業したい! でも、家族に日本人がいないと大変です

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   インド人には欧米で学び、欧米で働き、成功するという「インディアンドリーム」があるという。「起業」して経営者として成功することも、その夢の一つ。ただ、日本ではそれが容易なことではない。

   日本でインド料理店と旅行代理店を経営するインド人のバット ロマシュさんに、日本での起業について聞いた。

  • 海外で働く外国人にも夢はある
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見ず知らずの外国人の保証人など、そう簡単になってくれない

   ―― 日本で起業しようと思ったきっかけを、教えてください。

バット ロマシュさん「父が経営者だったこともあって、もともと起業を目指していました。大学を卒業して大手代理店に入社したのですが、4年目で部署異動のタイミングがありました。独立するのであれば、そのタイミングが一番(自分にも会社にも)負担がかからないかなと、考えました」

   ――「起業」となると、日本人でもなかなか踏ん切りがつかないものですが、資金面や登記などの手続き、それに加えて外国人ということで、日本人よりもハードルがあったと思うのですが、不安ではなかったのですか。

バットさん「父が亡くなる前に永住権を取得していました。それがあるとないとでは大違いだと思います。永住権があれば、お金が借りやすいですし、賃貸物件も入居しやすいんです。永住権がない外国人のみなさんはお金を借りる際、いや住まいを探すにも苦労されていると思います。ボクの場合、起業するときに公的金融機関からお金を借りたり、銀行からお金を借りたりしましたが、いろんなところで永住権があることで助かりました」

   ―― 保証人などの問題はありませんでしたか。

バットさん「ボクの場合は母が保証人になってくれました。それでも、たしかに大変でしたね。保証人が必要なケースでは、たとえば飲食店の物件を借りるときに『日本人を一人、保証人として立ててくれ』というふうに言われることはありました。
   日本人の保証人なんて、そんなに簡単に見つかるわけがないですよね。家族以外に、保証人になるというのはすごくリスクのあることじゃないですか。日本人同士でもためらうことを、見ず知らずの外国人にそんなに簡単になってくれるはずがありません。ボクは独身なので、日本人のお嫁さんもいませんし。家族に日本人がいないと、そういうときに大変ですね」

日本が求めている外国人材は「労働者層」だけか?

   ―― 結局、どのような方が保証人になってくれたのでしょうか。

バットさん「幼馴染にお願いしました」
「外国人にも、『成功したい』という気持ちはあります」と、バット ロマシュさんは言う。
「外国人にも、『成功したい』という気持ちはあります」と、バット ロマシュさんは言う。

   ―― 日本に長くお住まいで、永住権があったところにアドバンテージがあったというわけですね。

バットさん「そうですね。でも、最近は外国人専門の保証会社さんがあったりするんですよ。たとえば、グローバルトラストネットワークス(東京・池袋)という会社は、外国人専門に住まい探しや家賃保証、仕事などを紹介してくれます。その昔、社長さんが個人的に外国人の家賃を保証していらっしゃったようで、それを事業として起こして大成功されています。基本的には、なにをするにも外国人には『保証』が必要になってきちゃうんですよね。仕方ないことではあると思うんですが......」

   ―― 現在、日本で会社を経営されています。経営者の視点から、入国管理法が改正されたのを機に、たとえばお友だちやご親戚の方を日本に呼ばれて、なにか一緒にビジネスをしてみようという思いはありますか。

バットさん「ボクの認識としては、いまの日本が外国人に求めているのは経営者層ではなく、労働者層を求めているという認識なんですよね。人手不足なので、そこが必要なのは確かです。なので、インド人に、社員として会社でいっしょに働いてもらうことは考えたいと思っています。
   ただ、やはり単純に日本人がやったほうがいい作業は日本人がやるべきで、外国人ができる作業は外国人がやればいいと思うんです。たとえば、インド企業とのビジネスのやり取りなどは外国人材が生かせる仕事であると考えます。言葉の問題もそうですが、現地のビジネスや生活環境もわかっていますから。でも、『特殊技能』で受け入れたから、この仕事しかやらせないとか、別の仕事を任せようと思っても、この資格がないからやらせないとか。そんな制限があるうちは、外国人労働者も、雇う会社側も負担がかかるのでやりたく(受け入れたく)ないですよね。外国人労働者にしても、『日本で成功したい』という夢というか、モチベーションにはなりません。それでいいのかな、って思いますよ」
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