お店探しも動画で決める
さらに、「抖音」は2019年2月、「抖店(ドウディエン)という新サービスをテストリリースしました。飲食店や観光地などが、抖音内に公式ページを作成。ここに位置情報を登録したり、ユーザーによる投稿動画の蓄積をしたりすることができるようになっています。
いま自分がいる場所の近くで、評判のいいレストランや美容サロン、お洒落な雑貨店などがないか探している人が、投稿されたショートムービーを見て、店に足を向けてみる――。こんな仕組みです。
北京市街地から東北に約70キロメートルの観光地「古北水鎮」では、このサービスを先行して導入。今年2月初めの旧正月の期間中、「古北水鎮」に関する動画の再生回数は4億1000万回にも及びました。
1000年以上の歴史を持つ町並みや、万里の長城の雄大な姿をバックにした、さまざまなショートムービーが大きな反響を呼んで、「古北水鎮」の知名度が大いに向上することになりました。
これから普及が期待される5Gとも相まって、「ショートムービー +」のビジネスモデルの一層の増加が予測されます。日本でも中国人観光客向けのインバウンドや越境ECに取り組む際、ショートムービーをいかに活用するかが肝要となっていくでしょう。(山本達郎)
山本 達郎(やまもと・たつお)
1980年生まれ、慶応大卒。2006年に北京でネットマーケティング会社を創業。2015年、中国向けメディアやインバウンド・越境ECプロモーション事業を行う株式会社クロスシーによる買収に伴い、同社執行役員に就任した。