安倍晋三首相の側近、萩生田光一幹事長代行が消費増税見送り、衆院解散で信を問う可能性に言及し、話題となっています。
発言は各方面から反発を呼び、麻生太郎財務大臣や自民党の二階俊博幹事長は不快感を表明。公明党の山口那津男代表は「論外」。経済界も反発しています。
安倍首相には「怪文書レポート」の「前科」がある
萩生田幹事長代行の発言は、何もないところに急に出てきたわけではないでしょう。いわゆる「観測気球」であり、おそらくは安倍首相の「意向」があるはずで、だからこそ政界も揺れました。
ただ、安倍首相は常々「リーマンショック級のことがなければ消費増税を実施する」と発言しているので、相当のことがないと消費増税を撤回できないはずです。
しかし安倍首相も、2016年の伊勢志摩サミットで「リーマンショックが迫っている」という怪文書のようなレポートを各国指導者に出して、それを理由に消費増税を延期した「前科」があります。
今回もG20大阪サミットが迫っていますが、その際に同様な「怪文書」を出すのではないかとの観測もあります。
アベノミクスで国内景気は多少持ち直しましたが、多くの国民は景気回復を実感できないのは事実です。
景気の実態は強くありません。消費増税があれば、やはり景気は落ち込むでしょうし、増税撤回となれば「歓迎」されるでしょう。増税撤回で、衆参同時選挙というシナリオは十分ありえます。