【10連休は本を読む】仕事に不安や悩みはつきものです。転職サイトなどを運営するエン・ジャパンが、1万人のユーザーに実施した「職場での人間関係」(2018年10月実施)の調査では、転職経験者の半数以上が「人間関係が転職のきっかけになったことがある」、8割以上が「今までの職場で、人間関係に難しさを感じたことがある」と答えていたことが、明らかになっています。
仕事の不安や悩みは人間関係が影響しています。必要なことは、仕事で大成功する方法ではなく、失敗やトラブルを防ぎ、理不尽さによる不幸を回避する方法です。
「波風を立てない仕事のルール」(尾藤克之著)きずな出版
会社の理不尽を正しく理解する
会社は理不尽なものです。たとえ自分にまったく落ち度がなかったとしても、謝罪に追い込まれたり、責任を取らされたりすることは日常茶飯事です。
会社の業績が悪化したから人員をリストラするというのも、そうでしょう。別にリストラされた人たちだけが原因で、業績が悪化したわけではありません。あるいは、リストラで職を追われるほどでなくても、あなたも仕事でこんな経験をしたことが、一度くらいはありませんか。
上司も賛成した企画だったのに、社長がケチをつけた途端に「自分もそこが気になっていました。ダメだよ、こんな企画は」と自分だけが怒られる。
上司が安請け合いして、無理な予算・無理なスケジュールで取ってきた仕事を、〆切どおりにやるように指示され、守れなかったら自分のせいにされた。
部署全体の売り上げが悪い責任が、管理職でもないのに、なぜかよくわからないが自分一人に負わされている。
こうした世の中の理不尽さに対峙して、実際に行動を起こす人もいるでしょう。ただ、多くの人はそこまでの気概を持っていないと思います。また、組織の風土を変えるのはあなたの想像以上に難しく、どれだけ頑張ったところで、正直なところ、実現の可能性は低いものになります。
必要なのは、仕事における理不尽をなくす方法ではなく、存在している理不尽をかわし、防ぎ、対処する方法です。
理不尽な組織や、理不尽な上司を変えることはできませんから、「理不尽な状況に追いやられないように、どう立ち振る舞えばいいのか」「理不尽な状況に追いやられてしまったら、どう切り抜ければいいのかを知っておくことが大切です。