いよいよ「平成」という時代が終わりを告げます。
不思議なもので、新元号「令和」が発表されたとたん、一気に「平成」を懐かしむムードが広がりました。2019年4月最後の1週間は、「平成最後の○○」一色。この記事が公開される4月26日は、「平成最後の金曜日」です。
そこで、今週のテーマは「英語で振り返るHeisei」です。
「Heisei」はどんな時代だった?
みなさんは「平成」にどんな印象がありますか?
1989年に社会に出た私は、この間ずっと「平成バブル入社」と言われ続けてきました。正確には平成の始まりとともにバブルは弾けているのですが、「平成」もスタート時にはまだ「バブル」の印象が強烈に残っていました。
では、「平成」はどんな時代だったのでしょうか。まずは「平成」を英語で説明してみましょう。
Heisei means "achieving peace".
(平成は『平和を達成する』という意味です)
英語では、「平成」は「peace」(平和)を「achieve」(達成する)と説明するといいようです。
実際、「平成」は日本にとっては戦争がない平和な時代だったとされています。もうちょっと頑張りたい方は、次のフレーズに挑戦してみてください。
Heisei will be remembered as period of peace
(平成は、平和の時代として記憶されるだろう)
be remembered as:~として覚えられる、~として記憶される
さらに応用力をつけたい方は、「近代になって初めて」のフレーズを加えるとインパクトが増します。
During the Heisei era, Japan has been free of war for the first time in modern history
(平成の時代、日本は近代史において初めて戦争がなかった)
During:~の間
era:時代
be free of:~がない、~を免れる
for the first time:初めて
in modern history:近代史において
「~で初めて」はどの世界でもニュースになりますから、伝えたいことを強調したい時に、英語ではとりわけよく使います。「すごい」を伝えたい時は、迷わず「~で初めて」と説明するといいでしょう。
「令和」をスッキリ迎えるための「平成nostalgia」
「平成」は2019年4月30日で幕を閉じ、5月1日からは新しい「令和」の時代になります。
The Reiwa era starts on May 1
(令和の時代が5月1日に始まる)
「令和」が発表されて以降、「平成最後の入社式」「平成最後の選挙」「平成最後の満月」など、「平成最後の○○」が目白押し。「平成」の文字を記載した限定商品や、「平成」に流行ったスイーツを復刻販売するなど「平成商戦」もにぎやかです。
日本のこの状況を、海外のメディアはこう報じていました。
'Heisei' nostalgia hits Japanese consumers
(「平成」をなつかしむムードが日本の消費者を襲っている)
nostalgia:なつかしむ心、ノスタルジア
hit consumers:消費者を襲う、消費者を動かす
なるほど、「平成」を懐かしむ雰囲気は「Heisei nostalgia」で伝わるのですね!
「as abdication nears」「(平成天皇の)退位が迫って」を付け加えると、状況の理解がより深まります。
'Heisei' nostalgia hits Japanese consumers as abdication nears
(退位が迫るにつれ、「平成」をなつかしむムードが日本の消費者を襲っている)
as:~につれて
abdication:退位
それでは、「今週のニュースな英語」は「nostalgia」を使った表現をご紹介します。過去やふるさとを懐かしく思う時に使います。
nostalgia for the past
(過去を懐かしく思う気持ち)
wave of nostalgia
(波寄せる懐かしい思い)
feel nostalgia for~
(~を懐かしく思う)
「nostalgia」には、過去やふるさとを振り返って後悔するのではなく、未来につながる前向きな気持ちが込められている気がします。この際ですから、思いっきり「Heiseiノスタルジア」に浸るだけ浸って、スッキリした気分で新しい時代を迎えようではありませんか。
(井津川倫子)