【企業のためのSDGs 】SDGsは世界193か国が決めた「地球が生き残る」ための共通言語

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Peopleの「P」は「貧困ゼロ」を目指す

   ―― 具体的に、教えてください。

SDGsは「地球が生き残る」ための世界共通の言語(伊藤園顧問の笹谷秀光氏)
SDGsは「地球が生き残る」ための世界共通の言語(写真は、伊藤園顧問の笹谷秀光氏)
笹谷氏「たとえば、一つ目の『P』のPeopleは、発展途上国では子どもが生存の危機に瀕していることから、まず解決しなければならないのは貧困だと。それで『貧困をゼロ』に、が目標1になっているんですね。2番目は『飢餓をゼロ』に。食べるものをキチッと確保できるか。これは農業の持続可能なシステムも含まれています。3番目は『健康』であること。この必須3要素が洗い出されて、こうした課題をきちんと学ばなければ、将来につながらないということで、4番目の『質の高い教育』が設定されているわけです。
教育というのは、学校教育もその一つではありますが、職場での訓練や研修、最近話題のリカレント教育、生涯教育なども含め、みんなで学ぶことを目標としています。アクティブラーニングのように考えて、きちんと自分の力にできるように学ぶ。学んだ結果、その過程で5番目の『ジェンダー』、平等も大事であることがクローズアップされてきます。発展途上国における女の子への虐待は絶対に許されません。一方、先進国では男女平等。日本では女性活躍になりますね。そして『P』の6番目は、世界的にみると『水』なんです。水とトイレ。これがないと衛生環境が悪い。これら6つの項目は人類が生存するうえで必須とされています」

   (つづく)

(会社ウォッチ編集部)

プロフィール
笹谷 秀光(ささや・ひでみつ)
伊藤園 顧問 CSR/SDGコンサルタント

1976年東大法卒。77年に農林水産省入省。2005年環境省大臣官房審議官、06年農林水産省大臣官房審議官、07年関東森林管理局長を経て、08年に退官。伊藤園入社。10〜14年取締役、14〜18年常務執行役員。18年5月から、現職。
19年4月から、社会情報大学院大学客員教授。
31年間の行政経験と10年のビジネス経験を活かし、企業の社会的責任、地方創生などのテーマを考える。特に企業ブランディングと社員士気の向上を通じて企業価値を高めるための理論と実践について、アドバイザー、コンサルタント、講演などを幅広くこなす。

清水一守(しみず・かずもり)
清水一守(しみず・かずもり)
一般社団法人SDGs大学 代表理事/公益財団法人日本ユネスコ協会連盟・ユネスコクラブ日本ライン 事務局長/英国CMIサスティナビリティ(CSR)プラクティショナー資格/相続診断士
日本大学文理学部を卒業。大学では体育を専攻。卒業後、家業である食品販売店を継ぐも新聞販売店に経営転換。地域のまちづくりとして中山道赤坂宿のブランド化を推進した。その後CSR(企業の社会的責任)の重要性を学び、2018年7月から名城大学で「東海SDGsプラットフォーム」として月2回の勉強会を開催中。SDGsを広めるための学びの場として2019年9月に一般社団法人SDGs大学を開校。現在、SDGs認定資格講座やSDGsイベントなどを開催中。
岐阜県出身、1960年生まれ。
一般社団法人SDGs大学
SDGsを広めるために、誰もが伝道師となるような認定資格講座を3段階で設定。SDGsを学ぶきっかけの資格としてSDGsカタリストから始まり、その上位資格としてのアドバイザー資格、さらにカタリストを育成するカタリストトレーナー資格を設け、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsを他人事ではなく、『ジブンゴト』としてとらえ、実践していけるようにSDGsの研究・周知・教育を行っています。校訓として学び・実践・達成・及人を掲げ、物心両面の幸せを追求し、真の『自分ごと』を探求できる学びの『場』として、誰もが参加ができるインラインによる「SDGs大学プラットフォーム」、「SDGsキャンプ」などのセミナー、イベントを提供しています。
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