「電話に出ない新入社員」にブチ切れた先輩の投稿が話題 対処法を専門家に聞いた

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「電話に出るといいことがいっぱい」とメリットを教える

――そういう新人にどう指導したらよいのでしょうか。

篠原さん「電話に出るとこんなにいいことがあるよ、とメリットを教えるのです。○○さんに電話です、と取り次ぐことによって会社の中にどんな人がいるかわかる。問い合わせに答えることによって、会社の商品や業務を知ることができるし、どんな取引先がいるか覚えられる。いっぱい電話をとった人の方が早く仕事ができるようになるよ、と考えさせることです。
『新人だから電話に出ろ』という昔の徒弟奉公のような言い方をしても通じません。今の若い人は優秀ですから、『なぜ新人が出なくてはならないのか?』と、本人が論理的に頭で納得しなければ動きません」

――メリットから教えるわけですね。やはり、新人である時期に積極的に電話をとらせたほうがいいのですか。

篠原さん「はい。今の時期がチャンスなのです。私は研修の場ではこう説明しています。『4月のこの時期は、取引先だって新人が電話に出ることはわかっています。だから、あなた方が多少まごまごしたり、敬語の使い方を間違えたりしても、向こうは初々しいなあと好意的に思ってくれていますよ』と。
電話に出る恐怖をやわらげるには、こんな方法を教えています。対応に困った時は、保留を押してしばらく電話から離れ、気を落ち着かせるといいと。先輩や上司に相談したりして、30秒以内に戻ってきて、また電話に出ればいいのです。また、こうも言っています。『電話のいいところは、本人が目の前にいるわけではないこと。怖いクレームの相手から、東京湾に沈めるぞ!と怒鳴られても、相手が電話口から飛び出してくるわけはないでしょう?』と」

――なるほど。新人研修では、電話の応対の仕方は必ず教えたほうがいいのですか。

篠原さん「はい。新人の不安を取り除くためにもマニュアルは必ず作ってください。まず、『○○会社でございます』と挨拶。『□□でございますね。呼んでまいります』と返事をする......。そして最後は『私、△△が承りました』と確認するといったふうに、電話器の前にクリアファイルに入れておき、順番に読み上げれば対応できるようにしておくのです。
それと、新人は固定電話の使い方を知らない人が多いですから、管理職や先輩は、保留、転送、それも内線電話を押してやるのかどうかなど、細かい機械操作から丁寧に教えてください」

(福田和郎)

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