「年収600万円の仕事やめて専業主婦に」女性の投稿に賛否両論! 専門家に聞いた

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「いつ離婚してもいいように仕事は続けて」

   また、年収2000万円超とはいえ、「夫をあてにするな」という声も。

「夫の収入は関係ない。別れる可能性がない夫婦なんていないし、死なない夫はいない。私は夫や姑から仕事を辞めてほしいと言われましたが、譲りませんでした。その後夫は転職する羽目になり、資格取得にお金がかかり、私が無職だったら大変でした。夫は、辞めてくれと言ったことなど忘れた顔です」

   何より、「妻の自立と自由」と「仕事のやりがい」を強調する声が多かった。

「私は何があっても仕事を辞めません。自分独自の収入や年金があることの『自由さ』は計り知れないです。夫が病気になろうと、死別しようと、安定した経済基盤で子供を育て上げる義務を担っている者として、仕事は必須です」
「私も同じことに悩みましたが、辞めずに管理職昇進を引き受け、今年収は800万円。辞めずに続けてよかった。管理職の仕事は子育てと似ているところがあり、面白いし、自分は管理職に向いているなという新発見もありました」

「心と時間の余裕がないのがつらすぎ」

   一方、「辞めた方がいい」と勧める意見の中には、「ゆとり」と「心の豊かさ」を強調する人が多かった。こんな声が代表的だ。

「それだけ夫に収入があれば、私なら子供とゆとりある時間を選びます。私も年収500万円以上ありましたが、家に帰ればグッタリ。休日もグッタリ。疲ればかり家庭に持ち帰っていたので辞めました。ちゃんとできなかった家事を楽しみながら過ごしています。夫もそんな私を見るのが嬉しそうです」
「私が辞めた最大の理由は、豊かな生活をするためにお金を得ていたのに、普段の生活がまったく豊かではなくなったから。毎日楽しくなくて、心と時間の余裕がないのが辛すぎました。子供にもっと手をかけたい。子供はあっという間に手が離れるからそれまで頑張れという考えもありますが、私は逆に、手をかけられる時間が実は貴重かなと考えました」

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、「年収600万円捨てるべきかどうか論争」の意見を求めた。

――平均よりかなり年収が高い夫婦なのに悩みがある点で、この投稿には女性が働くうえでの色々な問題が詰まっている感じがします。

川上敬太郎さん「今回のような高収入女性を対象にしたわけではありませんが、『働く主婦が本当に望む働き方とは?』という調査を行ったことがあります。すると、『短時間非正規社員』が39%、『短時間正社員』が33%で、7割以上の人が短時間勤務を望んでいました。『フルタイム正社員』と答えた人は13%だけでした。
ところが、同じ人たちに『もし家庭の制約がなく、自分のために100%時間を使うことができる場合はどうか?』と尋ねると、62%が『フルタイム正社員を望む』と答えました。働く主婦層は、得てして家庭の事情を優先して自分の本当の希望を押し隠してしまう傾向があります。今回の相談者にも、高い年収とは裏腹に本当の希望が満たされない窮屈さを感じます」
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