「課長」といえば役所でも企業でも「課」の管理者で、組織の中堅幹部ではあるが、その上には部長や次長らがいて、中間管理職の代名詞みたいな存在だ。
時はいま、平成から令和に変わろうとする元号の端境期。平成くくりの時代のまとめが盛んだが、そのノリで「平成の課長」はどうだったかという調査結果が発表された。それによると、多くの課長が「ストレス」「板ばさみ」に悩まされ「不安」な会社生活を過ごしてきたというのだ。
課長は「上司と部下の板挟み」で「孤独」
「平成の課長調査」は、JTBのグループ会社、JTBコミュニケーションデザインが2019年3月1日から5日間、インターネットを使って行った。従業員数100人以上の企業で「課長」または同等の職位にある1000人に平成時代の日々と令和への思いを聞いた。また課長らの思いとの比較対象として、18~24歳の一般社員200人にも意見を聞いている。
平成時代の課長として過ごした日々を振り返ってもらうと、最も多かったのは「ストレスが多い」(46.8%)。30代、40代、50代の年代別でもほとんど差はなく、それぞれ41.0%、48.0%、48.5%だった=表参照。
以下「上司と部下の板ばさみになる」(37.1%)「課長としてこれでいいのかと不安がある」(34.0%)「忙しく、時間の余裕がない」(32.6%)「課長は孤独である」(32.1%)と、歯を食いしばって過ごしたかのように思わせる選択肢にチェックが集中している。
「課長」といえば昭和の時代から、上司には抑えられ、部下には突き上げられ、そのことを世間からイジられて、くたくたになったイメージが強かったが平成になってもそれはあまり変わってはいなかったようだ。
平成時代といえば、元号が昭和からかわってすぐにバブル崩壊。そして「失われた10年」と呼ばれた経済低迷の期間が続く。その後、2002(平成14)年から5年間ほど、いざなみ景気と呼ばれた好景気の期間があったが、多くの人にとっては豊かさを感じられないなど、その恩恵が行き渡るものではなかった。そして08(平成20)年には世界がリーマン・ショックに見舞われ、日本も大幅な景気後退を余儀なくされた。とくにバブル景気にわいた昭和に比べ、後半は平成の課長は不遇だったかもしれない。