今週のポイントは、いよいよ目前となった10連休のゴールデンウィーク(GW)。前週(2019年4月15日週)に株価が上昇したことがあり、期間リスクに嫌気した利益確定売りが出てくる可能性がある。国内企業の決算発表も、本番を迎える。
一方、ドル円相場は米国経済の動向を意識した取引が続きそう。米国の経済指標が市場予想を下回った場合は、ドル売りにつながりやすい。また、世界的な景気減速の警戒感は薄らぎ、円買いは弱まりつつあるものの、ユーロ圏の経済指標は予想を下回る内容が少なくない。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 任天堂、ソニー、コマツ...... 注目企業が決算発表
日経平均株価予想レンジ:2万1800円~2万2400円
2019年4月19日(金)終値 2万2200円56銭
今週の日経平均株価は、ゴールデンウィークを前にしたポジション調整から、上値の重い展開となりそうだ。
前週の日経平均株価は、米ニューヨーク市場の上昇を受け、週明けから大きく上昇したものの、その後は横バイ圏での推移となった。日経平均株価は昨年12月4日以来となる2万2000円代を回復したが、ゴールデンウィークを控えたポジション調整などで上値が重い展開が続いた。
今週の日経平均株価は、史上初の10連休となるゴールデンウィークを控え、手じまい売りが出やすくなる。一方で、2019年3月期決算の発表が本格化しはじめる。日本電産、ファナック、キヤノン、任天堂、ソニー、コマツなどの注目企業が決算を発表する予定で、2020年3月期業績予想の発表を含め、個別株の物色が活発化するだろう。
注目は、24~25日開催の日銀金融政策決定会合と黒田東彦総裁会見、25日の日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)。金融政策の変更はなさそうだが、世界景気を含めた日銀の景気判断には注意が必要。
経済指標は、国内では26日の3月の失業率・有効求人倍率、3月の鉱工業生産など。米国では、22日に3月の中古住宅販売件数、23日の3月の新築住宅販売件数、26日の1~3月期GDP(国内総生産)などに注目だ。
東京外国為替市場 米国の経済指標に左右される展開に
ドル・円予想レンジ:1ドル=110円50銭~113円00銭
2019年4月19日(金)終値 1ドル=111円91銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、米国の経済指標に左右される展開になりそうだ。
前週の外国為替市場でドル円相場は、一時1ドル=112円17銭までドルが買われた。中国の1~3月期GDP(国内総生産)と3月の鉱工業生産が市場予想を上回ったことや、米国の2月の貿易赤字が市場予想以上に縮小したこと、米国の3月の小売り売上高が市場予想を上回ったことなどがドル買いの材料となった。
ただ、1ドル=112円台ではドルの上値が重かった。
今週の外国為替市場でドル円相場は、米国の経済指標に左右される可能性が高そうだ。米国では、3月の中古住宅販売件数、3月の新築住宅販売件数、3月の耐久財受注、1~3月期GDPなどが発表される予定で、好調な結果であれば1ドル=113円付近までドル高・円安が進む可能性もありそうだ。一方で、直近の米国の経済指標には市場予想を上回るものも多く、市場予想を下回る結果となれば、1ドル=110円台半ばまでドル安・円高が進む可能性もある。
ただ、日本がゴールデンウィークを控えていることから、基本的にはポジションを傾ける動きは限定的で、もみあい相場が中心となりそうだ。
経済指標では、国内では24~25日開催の日銀金融政策決定会合と25日の黒田東彦総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)。海外では、前述の米国関連の経済指標がある。
(鷲尾香一)