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難航した出版社交渉、資金もショート、その中で起こった「奇跡」

   大賀さんは大学、大学院で機械工学を専攻していたが、インターネットやスマートフォンを使ったツールの開発は初めてで苦労する。

   加えて、要約サービスのためにはクリアすることが欠かせない、出版社との許諾交渉が、うまくいかない。3カ月ほどは相手にすらされない日々だった。

   双方とも、様々な人の支援を得て、やっとのことでサービス開始にこぎつけると、その投資家相手のプレゼンテーションのコンペで軒並み入賞を果たすなどし、滑り出しは好調だった。

   が、現実はそう甘くはない。その後の資金調達は難航、その間にサービスも停滞した。先行きに暗雲がかかり、4人いた創業メンバーのうち2人が離れてしまった。

   暗転した舞台に残された大賀さんらに、大賀さんがいうところの「奇跡」が起きる。テレビの経済情報番組で要約サービスの事業が取り上げられ、続いて投資家らから資金の申し出ももたらされたのだ。出版社との許諾交渉も、理解を示してくれた1社を足掛かりに徐々にうまくいくようになっていた。

   「いまは、月次で40社以上の出版社と定例会を行って新刊の情報が入る。不定期で連絡を取り合っている出版社を含めると170社を超える。提供しているサービスは、読者の知りたいことにフォーカスした、要約形式での本の内容紹介。会員数が増えるにつれて、出版社の販促としてもご理解いただけるようになった」と大賀さん。サービスは無料でも一部は利用できるが「有料の会員比率は高い」という。今後、会員数をさらに伸ばして、2022年には120万人にする目標を掲げている。

   とくにビジネスパーソンへの訴求を重視し、ビジネススクール講師ら専門家で構成する選書委員会で書籍を選定。あがった要約は、出版社、著者らにも確認を求め、その精度に注意を払っている。

   要約は、その本が属す分野の専門家で「ライターとしてもその分野で本が書ける」水準の人に依頼をしているという。

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