「お酒の場合は勤務中に飲みませんから」
ところで、企業が従業員に禁煙を指示したり、今回のように採用条件に「非喫煙者」を明記したりすると、必ず起こるのが「タバコを吸うかどうかは個人の自由だ」「喫煙者差別ではないか」という反発だ。そうした抗議はなかったのか。また、現在就職活動中の学生からも疑問の声は上がらなかったのだろうか。
住山さんは、
「SNSなどでそういう議論が起こっているのは承知しております。当社の立場は、嗜好品としてのタバコを否定するものではありません。ただ、タバコが健康に悪い影響を与えているのは事実ですから、健康を応援する会社の姿勢として禁煙を推進することに共感していただける方々に入社してほしいと考えております。会社説明会でそう訴えると、わかっていただいております」
と話す。
実際、会社のホームページに「喫煙者差別ではないか」「アルコールはいいのか」といった批判の声が数件寄せられている。そうした声には一つひとつ答えているそうで、住山さんは、
「アルコールの場合は、勤務時間中に飲むことはありえませんので、と返事をしています」
と笑った。
ちなみに、採用条件に「喫煙しないこと」を掲げている企業はほかに、日新火災海上保険、ロート製薬、スポーツクラブ運営のセントラルスポーツ、テクノロジー人材育成スクールのdiv(ディブ)などがある。
(福田和郎)