「リスクオン」で株価にも好影響
中国経済の回復が、どのようにマーケットに影響を及ぼすか、少し整理したいと思います。
欧州は、一層の金融緩和に踏み込む必要がなくなります。そうなると、ユーロドルには反発余地が生じます。豪州やNZといった国々も、さらに金融緩和する必要がなくなる可能性が高まります。豪ドルやNZドルといった通貨ペアも、反発の余地が生じます。
それから、世界的に景気が支えられることになるので、リスクオフ(相対的にリスクが低く、安全と思われる資産に資金を移すこと)というよりリスクオン(相対的にリスクの高い資産に積極的に資金を移すこと)的なマーケットとなります。
株価にも、もちろん好影響があるでしょう。
すなわち、ユーロドルは下方への警戒から、意外な反発局面を目先迎える可能性があります。ユーロ円や豪ドル円、NZドル円などのクロス円取引はアップサイドへの警戒です。ドル円も下支えられるでしょう。このように考えてみると、方向はまったく180度違います。
中国経済に対する懸念から、2018年末以来、リスクオフ的展開となりましたが、これからは違ってきそうです。急激なリスクオン的展開に、注意したほうがいいのかもしれません。(志摩力男)