「オープンイノベーション」意味知ってんの? オエライ社長様はベンチャーの話を聞く耳ない(大関暁夫)

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「エゴ」むき出しの残念な経営者は少なくない

   米国のベストセラー作家として有名なストラテジストのライアン・ホリディ氏は、その著作「エゴを抑える技術」で、「エゴ」を「自分が重要な存在だという不健全な思い込み、尊大さ、身勝手な野心」と定義しています。

   地位や実績のある自信家は、「人の話を聞く必要もない。自分の考えでなんとかなる」と、「エゴ」を心の奥に潜ませた行動をとりがちになってしまうというのです。すなわち、格式ある会合での著名企業の社長方は、「自分の正しさ」にこだわって主張し、お互いから学ぼうという姿勢にはなからないのです。

   彼らはおそらく、社内でも同じなのでしょう。自分で判断できることは、人の意見は聞かない。そんな社長の「エゴ」を周囲に感じさせる仕事を、しているに違いありません。

   自分でもできるかもしれないことであっても、あえて他者の新しい力や若い力を借り自分は他のことに注力する。あるいは、自分で考えて前に進むことができると思うことでも、あえて他者の意見を聞きそれを取り入れてやり方を工夫してみる、それがオープンイノベーションの精神であり、これからの時代に必要な姿勢ではないかと思うのです。

   拙交流会に会員企業様のご紹介で参加された著名企業のオエライ様でも、名刺にある連絡先に参加御礼のご挨拶を兼ねたアポ取り連絡を入れても、お断りあるいは反応なしという方が時々いらっしゃいます。

   オープンイノベーションの精神のない方が間違って、参加されてしまったのだと受けとめることにして、それ以上の催促は一切しないとことにしています。またそういう方はオープンイノベーション目的の拙交流会には合わないので、まず二度と参加されません。

   ご自身の「エゴ」を取り除かれたら、もっと新しい展開があるかもしれないのにと思うにつけ、世に残念な経営者の方は意外に多いと実感させられる次第です。

   ちなみに、ライアン・ホリディ氏は「エゴそのものは悪でなく、コントロールして上手につきあうもの」と言っています。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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