米国と欧州の貿易摩擦が懸念されはじめた。トランプ米大統領が欧州製品に関税を課す方針を示したからだ。まだ米中貿易摩擦ほどのインパクトはないものの、顕在化する可能性がある。また、今週から米国企業の決算発表が本格化。企業の業績が好調であれば、米国株高が意識され、ドル買いが続くかもしれない。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 米国企業の決算発表、どう影響?
日経平均株価予想レンジ:2万1500円~2万2200円
2019年4月12日(金)終値 2万1870円56銭
今週の日経平均株価は、強含みもみ合いか。
前週の日経平均株価は、年初来高値を更新するなど上昇した。外国為替市場の円安が株式相場の下支えとなったことに加え、3月28日以来となる日本銀行による「ETF(上場投資信託)買い」が相場を引き上げる材料となった。
今週の日経平均株価は、年初来高値を更新した前週の勢いを受け継ぎ、堅調な相場展開が予想される半面、トランプ米大統領が欧州製品に関税を課す方針を示したことが報道されるなど、貿易摩擦問題が再び相場のかく乱する要因となりそうだ。
15日からは米ワシントンで日米の物品貿易協定(TAG)交渉が開始される。注目は、日本に先行して始まる米国企業の決算発表。決算の内容次第では、米株式市場が大きく動く可能性があり、日経平均株価に影響する可能性がある。
さらに、10連休のゴールデンウィークが近づいてくることから、投資家のポジション調整による「売り」が出る可能性があり注意が必要だろう。
経済指標は、国内では17日に3月の貿易統計、19日に3月の消費者物価指数の発表。米国では、15日に4月のNY連銀製造業景気指数、16日は3月の鉱工業生産率と2月の貿易収支、18日には3月の小売り売上高など。中国では、17日に1~3月期のGDP(国内総生産)と3月の鉱工業生産、3月の小売り売上高の発表がある。
東京外国為替市場 続くか!? ドル買い・円売り
ドル・円予想レンジ:1ドル=110円50銭~113円10銭
2019年4月12日(金)終値 1ドル=112円02銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続きドルの底固い動きが続きそうだ。
前週の外国為替市場でドル円相場は、節目と見られていた1ドル=112円を上回り、ドル高・円安となった。IMF(国際通貨基金)が2019年の世界の成長率見通しを下方修正したことなどで、円高の振れる局面もあったが、米国の経済指標が市場予想を上回ったことや、中国が発表した3月の貿易統計で輸出が市場予想を大きく上回ったことで、景気の減速懸念が後退。リスク選好的のドル買い・円売りが強まった。
今週の外国為替市場でドル円相場は、米国の経済指標がカギになりそう。直近の経済指標は米国景気の好調さを示すものが多く、今週発表予定の15日の4月のNY連銀製造業景気指数、16日の3月の鉱工業生産、2月の貿易収支、18日の3月の小売り売上高など米国の経済指標が市場予想を上回れば、ドル買い・円売りの動きが強まり、ドルの一段高が予想される。
ただ、17日に発表予定の中国の1~3月期GDP(国内総生産)と3月の鉱工業生産、3月の小売り売上高など、中国の経済指標にも注意が必要。また、15日からの米ワシントンでの日米の物品貿易協定(TAG)交渉も注目材料だ。
経済指標では、国内では17日の3月の貿易統計、19日の3月の消費者物価指数。米国では上記の経済指標に加えて、18日の3月のCB景気先行総合指数、19日の3月の住宅着工件数などが発表される。
(鷲尾香一)